科学(science)という用語は多義的である一方、
心理学も広範な分野を包含している。
 
広義の科学は、体系化された知識、経験の総称であり、
具体的には、自然科学、社会科学を包含する。
 
このような広義の科学には心理学は含まれる。
 
一方、狭義の科学は自然科学を意味しており、
社会科学のようないわゆるソフト・サイエンスを包含しないことになる。
 
すると、このような狭義の科学には心理学は含まれないことになる。
 
狭義の科学はハード・サイエンスと称されることもある。
 
上記した科学の定義と別個の基準としては、
科学的手法(scientific method)の観点で考察することができる。
 
科学的手法に基づいた知見は、科学的と称される一方、
科学的手法から逸脱している実験結果などは、
非科学的と批判されることも多い。
 
科学的手法とは、ある事物や現象を説明するにあたり、
考えられる様々な仮説から、再現性を持つ実験や観測を行い、
その結果に矛盾しない説明を選びだすプロセスである。
 
科学的手法では、実験方法や測定方法が公開され、
第三者が実験、観測を検証することができることが求められる。
 
このような観点で考察した場合、
フロイトが提唱した精神分析、例えば、夢分析は、
科学的手法と言い難いものがあり、
全く同じ事象について、分析者により
異なる分析がされることがある。
 
すると、特定の時代における特定の国家、社会に不都合な人達を
恣意的にラべリングすることが可能になる。
 
ナチス・ドイツは、精神障害者をユダヤ人と同様に
強制収容所に収容して、毒ガスで殺害したが、
心理学の恣意性を悪用した実例である。
 
米国の心理学者、精神科医の一部は、
戦後のソビエト連邦共和国及び東欧諸国が、
精神医学、心理学を悪用して、
反体制者を精神病院に収容する体制を構築したことを批判している。
 
心理学は、人の心のはたらき、あるいは、
人や動物の行動を研究することに鑑みて、
科学的手法を満たした研究業績は、科学であり、
恣意性が高く、再現性が欠けているのは科学でない、
という判断基準もある。


備考

という質問のリクエストがあり、その回答をしました。

そこで、この回答を今回のブログ記事にしました。

自己の著作物は自由に複製することができるので、
著作権法上の問題は生じません。

この記事は、Wikipediaの「科学」を参照して執筆しました。

Wikipediaは著作権フリーという特徴があります。