米国防総省の研究開発部門、DARPAが、2008年4月に、
屋外から屋内の写真や動画を撮影する監視技術に関して、
機密を解除しています。
 
この監視技術は、レーダー・イメージングというレーダー技術を
更に進歩させたものです。
 
レーダー・イメージングは、本来、
人工衛星、軍用偵察機などに搭載した特殊なレーダー
(合成開口レーダー、SAR)から
マイクロ波、ミリ波を照射して、地上を撮影する技術です。
 
レーダーに使われるマイクロ波、ミリ波は
壁を透過するという性質があるので、
屋外から屋内を撮影する分野に応用されたのです。

ちなみに、ラジオや携帯電話が部屋の中で聞こえるのは、
ラジオや携帯電話の電波が壁を透過しているのです。
 
軍情報部が屋内の様子を監視したり、偵察するという
軍事用途に永年、悪用されていたのですが、
米国防総省が2008年4月に機密を解除したのです。
 
レーダー・イメージングで屋内を撮影する技術を調べていると、
極めて高度で驚きます。
 
カメラで写真撮影するのと比べて、極めて複雑なのです。
 
ところで、このブログの読者のなかには、
部屋の中で何をしているか監視されたという
経験をした人もいるでしょう。
 
壁透過レーダー・イメージング技術では、
部屋の中の動向を監視することは可能ですね。


関連記事
 
参考文献
 
Dr. Edward J. Baranoski, DARPA/STO
“THROUGH WALL IMAGING:
HISTORICAL PERSPECTIVE AND FUTURE DIRECTIONS” 
Journal of the Franklin Institute

Volume 345, Issue 6, September 2008, Pages556–569