最近の自動車には衝突防止システムが付いている。

車が障害物に衝突しそうになると、自動的にブレーキがかかり、
衝突を防止するのである。

衝突防止システムの根幹は、レーダーであり、
レーダーが、人、自転車、車などの障害物を検知するのである。

衝突防止システムは、手のひらにのるサイズであり、
バンパーの内部に取り付けることが多い。

衝突防止システムには、24GHzの周波数の電波が使われたり、
77GHzの周波数の電波が使われたりする。

周波数が高い77GHzのレーダーの方が高性能になる。

実は、衝突防止システムは、ミサイル誘導システムを応用したものである。

ミサイル誘導システムでは、まず、レーダーを使って、
ターゲットにミサイルを誘導する。

次に、ミサイルがターゲットに十分に近づくと、
ミサイルに搭載した爆弾が爆発する。

ターゲットと至近距離まで近づいたことをレーダーが検知したとき、
ミサイルが爆発するように設定するか、
ブレーキが作動するように設定するかが、
異なるだけである。

衝突防止システムでもミサイル誘導システムでも、
FM-CWレーダーが使われており、
レーダーに搭載されるシグナル・プロセッサーの設定は、
似たようなものである。

1960年代から1970年代前半に渡るベトナム戦争に
投入されたミサイル誘導システムは、
FM-CWレーダーが使われていた。

50年が経過して、軍用レーダーが民生利用されるようになったのである。