携帯電話にもカーナビにもGPSが使われており、
いま、どこにいるのか分かります。
 
そこで、今回はGPSの概要です。
 
GPSは実はレーダーの一種です。
 
レーダーは、ターゲットの位置を計測する装置であり、
送信機がマイクロ波を照射して、
受信機がターゲットで反射した反射波を検出します。
 
通常、送信機と受信機は同じ位置にありますが、
送信機と受信機の位置が離れているレーダーもあり、
バイスタティック・レーダーと言います。
 
GPSは、送信機と受信機の位置が離れているレーダーであり、
バイスタティック・レーダーの一種です。
 
送信機は、人工衛星に搭載されており、
受信機が、カーナビや携帯電話に搭載されています。
 
レーダーでは、通常、ターゲットの位置を計測するのですが、
GPSは、携帯電話のような受信機の位置を計測しているのです。
 
GPS衛星は、地上約2万キロの高度で地球の周りを回転しており、
約12時間で地球を一周します。
 
約30個のGPS衛星が地球の周りを回転しています。
 
GPS携帯電話で位置を計測するとき、
4つ以上のGPS衛星の電波を受信して、
その時間差から位置を計測しています。
 
GPS衛星は真上にあるとき、距離が一番、近くなります。


一番、近い距離であっても、2万キロは離れており、
0.15秒で携帯電話に電波が届きます。
 
GPS衛星までの距離が例えば3万キロあると、
0.10秒で携帯電話に電波が届きます。


電波は1秒で30万キロ、進行するので、
0.1秒で3万キロですね。
 
GPS携帯電話が、4種類のGPS電波を受信して、
プロセッサーが計算して、
位置を決定するのです。
 
ところで、ドコモのGPS携帯電話では50cm前後の誤差で、
位置を計測できます。
 
要するに、2万キロ離れても、
レーダーで位置計測する誤差は50cm前後です。
 
すると、20キロ離れていた場合、
レーダーによる位置計測の誤差は
わずか0.5mmになります。


自衛隊の駐屯地、基地は地上警戒レーダーを配備しており、
ヘリコプター、車、人などを探知できます。


20km離れた自衛隊の駐屯地、基地にある
地上警戒レーダーからマイクロ波ビームを照射したとき、
0.5mm以下の精度でターゲットを狙えるということです。