このブログでは、マイクロ波が一定の条件で人間に聴こえる現象を
繰り返し取り上げている。

マイクロ波が聴こえる生理機構は、脳組織が振動して、内耳の蝸牛に振動が伝達するという説と、マイクロ波パルスが、聴覚中枢を直接、刺激するという説がある。

そこで、内耳、聴覚中枢の位置を図示する。

下記の図面では、内耳の蝸牛(cochlear)が1で示され、
聴覚中枢(auditory cortex)が2で示されている。




このイラストは、下記サイトから引用しました。


1962年のフレイ論文では、マイクロ波聴覚効果は、
マイクロ波がヒト聴覚中枢に命中するときに
起きている実験結果を示している[1]。

ストックリン米国特許は、マイクロ波聴覚効果を利用した音声信号を
伝達する通信機に関するが、マイクロ波は聴覚中枢に照射している[2]。

すると、マイクロ波の直接刺激により、ニューロンに電位が発生するのでしょうね。

ニューロンに電位が発生する生理機構は、
という記事にあります。

ちなみに、聴覚中枢は一次中枢と二次中枢に分けられ、
一次中枢については位置により、担当する周波数が変わる。



このイラストは下記サイトから引用しました。

上記の図と同様な図はストックリン米国特許にもある。

一方、脳組織の振動が関与するという説は、米国海軍医学研究所が作成した論文が提唱している[3]。

やはり、マイクロ波の可聴を悪用する組織が米軍なので、
研究者をミスリードさせる論文を発表したのでしょうね。

あるいは、マイクロ波の電界強度が強すぎると、
様々な現象が脳内に起きるのでしょう。

例えば、人間が食べ過ぎると、吐くことがあります。

聴覚中枢を強烈な電波で刺激したとき、
聴覚中枢に過大な電気信号が発生して、
この電気信号が聴覚神経を逆に伝達して、
内耳の蝸牛を振動させたのでしょうね。


[1] フレイ論文

「変調された電磁波エネルギーに対するヒト聴覚系の応答」

Allan Frey, J. Applied Physiology, 17:689-692, 1962

この文献の詳細は下記の記事になります。

[2] 下記の5件の記事で、ストックリン米国特許及びその前提となる
レーダー技術を紹介しています。

「レーダーのしくみ part 1」


「対人レーダーにマイクを接続して音声送信 part 2」
 
「対人レーダーの応用;マイクロ波で脳内に音声を発生させるしくみ:
ストックリン特許 part 3」

「マイクロ波で脳内に音を発生させる装置のしくみ
:ストックリン特許 part 4」

「マイクロ波で脳内に音を発生させる装置のしくみ:
ストックリン特許 part 5」


[3]  「マイクロ波の可聴;マイクロ波パルスによる熱弾性波聴覚刺激の証拠」

Science 19 July 1974:
Vol. 185 no. 4147 pp. 256-258
 
"Microwave Hearing: Evidence for Thermoacoustic 
Auditory Stimulation
by Pulsed Microwaves"
 
Kenneth R. Foster and Edward D. Finch
Naval Medical Research Institute,
National Naval Medical Center,
Bethesda, Maryland 20014

米国海軍が作成した上記論文は、下記の記事で紹介されています。