厚生労働省は、精神障害者に必要な医療を受けさせることなどを障害者の家族らに義務づける「保護者制度」について、家族の負担が大きくなっていることを理由に廃止することを決め、必要な法案を今の国会に提出することになりました。
精神障害者の「保護者制度」は、主に家族の中の1人を「保護者」として選任し、精神障害者に必要な医療を受けさせることなどを義務づけるものです。

この制度について、厚生労働省は、高齢となった家族から、「心理的な負担が大きくなっている」といった意見が出ていることを受け、廃止することを決めました。

そして、医師の判断のみでは患者の権利を奪いかねないとして、保護者の同意を要件としている「医療保護入院」については、家族の同意か、家族がいない場合、市町村長の同意を条件にすることにしています。

さらに、病院側に対し、退院後の生活指導などを行う専門家を置くことや、退院後のケアに当たる地域の精神保健福祉士らと連携することを義務づけることにしています。

厚生労働省は、与党側の了承を得たうえで、こうした内容を盛り込んだ法案を今の国会に提出する方針です。
NHKウェブニュースから引用しました。
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が、精神障害者の保護者について規定します。
例えば、同法20条1項は、「精神障害者については、その後見人又は保佐人、配偶者、親権を行う者及び扶養義務者が保護者となる」と規定します。
保護者の義務としては、同法22条1項が、「保護者は、精神障害者に治療を受けさせ、及び精神障害者の財産上の利益を保護しなければならない」と規定し、同法22条2項が、「保護者は、精神障害者の診断が正しく行われるよう医師に協力しなければならない」と規定します。
この報道だけでは明らかではありませんが、保護者制度を廃止することにより、市町村長の同意により、精神障害者を簡単に入院させることができるようになるのかもしれません。