米国コーネル大学で教授を務めたアラン・フレイ博士は、コーネル大学からペンシルバニア州ウィロー・グローブのランダムライン株式会社に移り、マイクロ波聴覚刺激の研究を継続した。
フレイ元教授は米国海軍研究所(US Office of Naval Research)及び米国陸軍より、マイクロ波聴覚刺激の研究資金を調達している。
”Human Perception of Illumination with
Pulsed Ultrahigh-Frequency Electromagnetic Energy"
という論文をサイエンス、1973、Vol 181、356~358ページに投稿している。
この論文では、300メガヘルツから3000メガヘルツの電波(UHF)をパルス波形で、人間の頭部に照射して、聴覚を刺激する実験を報告している。
まず、頭部に照射されるピーク電力密度を一定に維持しつつ、パルス幅を10マイクロ秒、20マイクロ秒、30マイクロ秒と10マイクロ秒づつ70マイクロ秒まで増加させた。ここで、ピーク電力密度は1平方センチメートルあたり370ミリワットに設定された。
パルス幅が増加しても、頭に聞こえる音の大きさは変わらなかった。従って、頭に聞こえる音の大きさは、パルス幅に依存しないことが分かる。
次に、頭部に照射される平均電力密度を一定に維持しつつ、
頭部に照射されるピーク電力密度を変化させた。
平均電力密度は1平方センチメートル当たり0.32ミリワットと
一定にしている。
ピーク電力密度は、1平方センチメートル当たり90~630ミリワットに変化させた。
頭部に聞こえる音の大きさは、ピーク電力密度に依存するという相関関係が得られた。
頭部組織に発生する音波の振幅が音の大きさと相関があるが、ピーク電力密度が音波の振幅と相関する。
実験条件
電波暗室にて、1.245GHzの周波数の電波をパルス変調して、聴覚を刺激した。1秒間に50回、ホーンアンテナから電波パルスを照射した。
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