筆者は略語をあまり使わないようにしている。

略語では第三者に意味が通じずらく、複数の意味が生じることも多い。

例えば、学会というだけでは、
日本数学会、日本物理学会、日本化学会などの学会を意味するのか、
それとも創価学会を意味するのかが分かりずらい。

筆者は小説を創作する訓練を受けていないこともあり、

多義的な解釈を許さず、

意図した意味が相手に通じる文章がよいと考えている。


専門用語は紛らわしい概念を区別するために特別な単語になっていることもあり、

専門用語が誤用されると極めて分かりずらい。



現在、テレパシーに関する書籍を執筆している。


一般の読者が分かるように記載するためには、

専門用語を減らして、分かりやすさを優先しなければならない。


今までのトレーニングと異なる方向なので、やはり戸惑いがある。


テレパシー装置の関係で、マイクロ波聴覚効果を説明するとき、

生理学の専門用語、電磁気学の専門用語を正確に使った場合、

難しすぎて、読者はかなり限られることになる。


高校の物理が苦手だったという読者もいることに鑑みて、

高周波電磁気学、電波を使った通信システムという観点から、

テレパシー装置について説明することは、

大幅に省略することになるのであろう。


例えば、テレパシー通信は、

パルス変調の一種のパルス位置変調で行われると説明しても、

一般の読者には、ちんぷんかんぷんである。


また、飛行機の位置、速度などを探知するレーダーが、

通信に応用できるとか、テレパシー装置に関連するとかを記載して、

素直に理解できるのだろうか。


これでは大学の専門課程レベルの書籍になりかねない。


やはり専門的な内容は長々と分かりやすく記載するか、

さもないと省略せざるを得ないのであろう。


今までにない新たな装置、機械、器具には新たな用語がふさわしいのだが、
その用語は当然、一般に普及していない。

例えば、レーダー(radar)という用語は
現在では英語圏で普及しているだけでなく、
日本語にもなっている。


しかし、第二次世界大戦当時、イギリスではレーダーという単語でなく、
別の英単語が使われていたし、
日本では、電探と呼ばれていた。


米国海軍は、マイクロ波聴覚効果を示す電波発生機器について、
MEDUSAという用語を使っているが、
この用語が普及するか否かは分からないものがある。

テレパシー装置の送信機として、MEDUSAが使われている。

要するに、テレパシー装置の送信機は、

マイクロ波聴覚効果を発生するということである。



マイクロ波聴覚効果という用語の代わりに、

レーダーが発射するパルスが人間が直接、聞こえる現象と

言いかえるのが必要なのかもしれない。