日本のおしゃべり妨害器に「イグ・ノーベル賞」



【ケンブリッジ(米マサチューセッツ州)=中島達雄】人々を笑わせ、考えさせる研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」の今年の授賞式が20日、米ハーバード大で開かれ、しゃべっている人を黙らせる装置「スピーチジャマー(おしゃべり妨害器)」を発明した産業技術総合研究所の栗原一貴研究員(34)と、科学技術振興機構の塚田浩二研究員(35)の2人が「音響学賞」に選ばれた。

 装置は、特定の方向からの音だけを拾う指向性マイクと、音を遅らせる電気回路、特定の方向だけに音を出す指向性スピーカーを組み合わせた。おしゃべりしている人に向けると、その人の声を拾い、0・2~0・3秒遅れて本人に送り返す。微妙に遅れて届く自分の声に脳が混乱し、しゃべり続けられなくなる。

 会議で延々としゃべり続ける人や、映画館で私語をやめない人などに向けて使うことを想定。周囲の人には影響がなく、装置を向けられた人も、黙れば効果が消えるため実害はない。

 2人はともに情報学系の博士号を持ち、人間と機械の情報のやり取りを研究する専門家。自分の声が遅れて聞こえると脳が混乱する「聴覚遅延フィードバック」という仕組みを知り、応用を考えついた。

 授賞式で2人は、ゲストのノーベル賞受賞者に対し3メートルほどの距離から「スピーチジャマー」の効果を試す実演をしたが、スピーチを止めることができず、会場は笑いに包まれた。

 今年のイグ・ノーベル賞にはこのほか、女性の髪形のポニーテールの動きとバランスを計算した研究が「物理学賞」に、体を左に傾けながらパリのエッフェル塔を眺めると塔の高さが低く見える研究が「心理学賞」にそれぞれ選ばれた。

 ◆イグ・ノーベル賞=米ハーバード大学系の科学誌「ユーモア科学研究ジャーナル」の編集長が1991年に創設。医学、物理学、化学、平和などの賞がある。賞の名前のイグには「反対の」という意味があり、「裏ノーベル賞」という意味合いがあるほか、「ノーブル(高貴な)」の反対語「イグノーブル(下品な)」にもかけている。日本人の研究は、仮想ペット「たまごっち」などが過去に選ばれている。


コメント

おしゃべり妨害器と、テレパシー装置の構造は類似している。

おしゃべり妨害器では、指向性マイク、指向性スピーカーなど
空気を伝わる音の性質を利用して、一種のフィードバック回路を形成している。

これに対して、テレパシー装置は、音ではなく、マイクロ波を利用して、
同様のフィードバック回路を形成している。

おしゃべり妨害器の指向性マイクの代わりに、
離れた場所から脳波を計測する特殊な計測器が用いられている。

おしゃべり妨害器の指向性スピーカーの代わりに、
レーダー用マイクロ波送信器が用いられている。

テレパシー装置は、
 離れた場所から特定の人物の脳波を計測する計測器と、
 脳波から思考を解読するコンピュータと、
 特定の方向だけにマイクロ波を発射する指向性送信器と
を組み合わせている。

指向性送信器は、レーダー用送信器が用いられ、
脳波を計測した人物の頭部に向けてマイクロ波を発射して、
マイクロ波聴覚効果という生理機構により、頭部でマイクロ波が音声に変換される。

被害者は、幻聴の症状を訴える。

脳波から思考を解読するコンピュータには、脳波辞書が搭載されている。

脳波辞書は、特定の誘発電位と音節との相関がまとめられている。

思考解読コンピューターの解読には、エラーがあり、
送信器が人物の頭部に向けて、
思考情報に対応する電気信号で変調されたマイクロ波を送信したとき、
思考が正確に反映されず、妄想となる。

また、人間の神経回路を電気信号が伝達する速度は、
マイクロ波が空中を進行する光速と比べて、遅いので、
人間の思考速度と同等又は凌駕する速度で応答する。

上記のテレパシー装置については、
1974年に特許が申請され、1976年に米国特許3951134号が成立している。




ソース1

米国特許3951134号については、下記に解説しています。


「心を読む装置」というブログ記事



「マインド・コントロールの技術」というヤフー知恵ノート



「心を読む装置のテレパシーへの応用」というブログ記事



ソース2

心を読む装置の原理、脳科学との関係は下記のブログ記事



ソース3

マイクロ波が脳内で音として聞こえるマイクロ波聴覚効果は、
下記で解説しています。

「マイクロ波聴覚効果」というヤフー知恵ノート


「マイクロ波聴覚効果を紹介する文献」というブログ記事



「マイクロ波聴覚効果と蝸牛」というブログ記事