フランス憲法会議
フランスの憲法会議(憲法院と訳されるときもある)は、違憲審査をする権限がある。
フランスでは法案が議会を通過した後、
大統領が法案に署名することにより、
法律が制定される。
法律が憲法に違反するおそれがあるときには、
法案が議会を通過後、大統領が署名する前に、
憲法会議が、その法案について、違憲審査を行う。
憲法会議のメンバーは裁判官ではないようである。
憲法会議の議長、Jean-Louis Debre は、
裁判官の出身でなく、元政治家である。
ブルカ禁止法
フランス憲法会議は、ブルカ禁止法を合憲と判断した。
フランス語の判決は、下記サイトで閲覧できる。
ブルカ禁止法の仮訳は、下記の通りである。
第1条 何人も、公共の場所で、顔を隠す服を着用してはならない。
第2条 第1条に規定する公共の場所は、公の道路及び公共のサービスが提供される場所からなる。
第3条は、刑罰を規定し、最高刑は150ユーロ又は市民権コースを受講することである。
刑務所に服役するという自由刑は規定されていない。
ブルカ禁止法の違憲審査の判決
フランス憲法会議の判決は、
顔を見せるという自由の制限は過度な制限でないこと、
公共の安全保障の要請などを比較衡量しています。
フランス語は得意でないので、一語一語、吟味していないことを申し添えます。
判決を参考にした私見を次に述べます。
まず、フランスのブルカ禁止法は宗教の教義に踏み込んでおらず、
道路などの公共の場所では、顔を隠さないという制限に留まっています。
次に、ブルカを着用して道を歩く場合、髪などを衣服で隠してもよいのですが、
顔を隠さないときには、この法律に抵触しません。
これらに鑑みて、顔を衣服で覆わないという制約は、
宗教の自由の侵害の程度が少ないので、
公共の安全という要請により制限されてもやむをえないと考えます。
また、刑罰も罰金刑であり、自由刑がないので、
宗教の自由の侵害が軽度であり、許容範囲と考えます。
ブルカ禁止法は合憲、仏蘭西憲法会議
2010年10月08日 11:02
【10月8日 AFP】フランスの法律について違憲審査を行う憲法会議(Constitutional Council)は7日、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)政権が推進してきた「顔をすべて覆うベール」の公共の場所での着用を禁じる法律に対し、合憲との判断を下した。ただし、信仰の自由を侵害するおそれがあるとして、礼拝所での着用は適用除外とした。
合憲判断を受け、同法は来年から施行される。
国民議会と元老院を通過して成立したこの法律には「イスラム」との明記はないが、イスラム教徒女性のブルカやニカブの公共の場での着用を禁じることがねらい。反対派は、仏欧の人権法に違反していると訴えている。(c)AFP
合憲判断を受け、同法は来年から施行される。
国民議会と元老院を通過して成立したこの法律には「イスラム」との明記はないが、イスラム教徒女性のブルカやニカブの公共の場での着用を禁じることがねらい。反対派は、仏欧の人権法に違反していると訴えている。(c)AFP