「アサド大統領辞任を議題にする用意がある」、
シリア副首相
【8月22日 AFP】シリアのカドリ・ジャミル(Qadri Jamil)副首相は21日、訪問先のモスクワ(Moscow)で記者会見し、反体制派との戦闘終結に向けた交渉の中でバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)シリア大統領の辞任を議題にする用意があると述べた。
ダマスカス(Damascus)の政治筋によると、ジャミル氏はアサド大統領の出馬も認めて大統領選を実施する案について話し合うため、モスクワに派遣されたという。
シリア国外で活動している反体制派の上部組織、シリア国民評議会(Syrian National Council、SNC)は暫定政権樹立を検討しているが、現体制の人物の参加を認めるかどうかは詰め切っていない。
欧米は以前からアサド大統領の退陣を求めている。米国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官は「われわれは副首相の記者会見についての報道を見たが、率直に言って特に新しい内容はなかった。アサドが早く退陣すればするほど、速やかにその後の体制に移行できる可能性が高まる」と述べ、ジャミル氏の発言に懐疑的な反応を示した。(c)AFP/Jean-Marc Mojon
ダマスカス(Damascus)の政治筋によると、ジャミル氏はアサド大統領の出馬も認めて大統領選を実施する案について話し合うため、モスクワに派遣されたという。
シリア国外で活動している反体制派の上部組織、シリア国民評議会(Syrian National Council、SNC)は暫定政権樹立を検討しているが、現体制の人物の参加を認めるかどうかは詰め切っていない。
欧米は以前からアサド大統領の退陣を求めている。米国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官は「われわれは副首相の記者会見についての報道を見たが、率直に言って特に新しい内容はなかった。アサドが早く退陣すればするほど、速やかにその後の体制に移行できる可能性が高まる」と述べ、ジャミル氏の発言に懐疑的な反応を示した。(c)AFP/Jean-Marc Mojon
コメント
シリアは、モスクワと友好関係にあり、
シリア内戦は、ロシアと、フランス、米国、イギリスなどの西欧諸国との代理戦争という側面もある。
アサド大統領は、父親から独裁政権を世襲している。
西欧諸国は、シリアに限らず、世襲制の独裁政権という政治体制に対して、
極めて批判的であり、民主化運動の高まりなどを契機に、
独裁政権を転覆する工作を開始することがある。
シリア内戦の反体制派は、シリア国民評議会という亡命シリア人を代表する組織の指示により、戦闘をしている。
シリア国民評議会は、亡命しているが、シリア国民の代表という点において、立法府と近似するものである。
シリア国民評議会は、フランス、米国、イギリス、スペインなどから支持されており、更に、トルコ首相が私人として支持をしている。
これらの背景に鑑みて、モスクワにおけるシリア副首相の発言は、アサド大統領の後継者争いの一環である。
西欧諸国が、シリアの政治体制の変革を迫っていることに鑑みて、
アサド大統領の辞任だけでシリア内戦が解決するかは疑問である。