ロンドン・オリンピックでは、組織委員会の公平な対応が好印象を与える。
 
人気が高い競技で空席が目立つという批判に対しては、下記の記事にあるように未使用入場券を再販売して、迅速に対応している。
 
男子体操では、内村があん馬から落馬したとき、抗議を受け入れて再評価している。
 
柔道では海老沼の試合で、ジュリーが抗議したときには、ビデオ判定により勝敗を変えている。
 
審判が抗議を受け入れる方針と、
審判が絶対であり、判断を変えない方針と、
どちらがよいのだろう?
 
審判に間違いがあることを率直に認め、即座に是正する方針に筆者は好印象を覚える。
 
欧米の方針と日本の方針の相違は、
スポーツ界に限られず、社会の様々な場面で遭遇する。
 
筆者が米国に留学中、何かトラブルや理不尽な事態があっても、それに対して、意見を表明したり、抗議すれば、相手はそれに対応した。
 
これに対して、日本では、トラブル、抗議に対してまともに取り合わず、お茶を濁す対応も多い。
 
また、日本では社会問題が改善されることなく、長期化することは日常茶飯事である。
 
例えば、日本では、農業生産の非効率性、大都市の地下鉄の混雑緩和、北方領土問題、英語力の欠如など50年以上、政策課題が変わっていない。
 
日本ではこれらの対策に対して、既得権益が反対して実現せず、改革が成功しない。
 
欧米諸国が、様々な分野で世界標準を策定する場面でリードしているのは、相手の意見を押し潰すのでなく、その意見を反映させているからである。
 
欧米社会は、日本と比べて、遥かに公平である。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ロンドン五輪組織委、未使用入場券を再販売
―空席問題に対応
 
 【ロンドン】ロンドン五輪組織委員会は30日、入場券の入手が難しいにもかかわらず、競技会場で空席が目立つとして批判が高まっていることを受け、五輪関係団体に割り当てた未使用の入場券を回収し、一般向けに再販売を開始したことを明らかにした。

(中略)

 ロンドン五輪組織委は29日、国際スポーツ連盟に要請して、体操の600枚を含め3000枚の入場券を回収し再販売した、30日午前中には完売したという。

 問題の発端は、約880万枚の入場券のうち一般向けに販売されたのが約75%にとどまったこと。12%は各国のオリンピック委員会に割り当てられ、それぞれの国で一般向けに販売された。さらに約8%は企業スポンサーなどに配布され、残りの5%が国際オリンピック委員会(IOC)など五輪関係団体や旅行代理店に割り当てられた。