自動車大手「ホンダ」の純正カーマットの模造品を無断販売したとして、埼玉県警は7月25日に、意匠法違反の疑いで、韓国系輸出入総合商社「巨山ジャパン」(埼玉県川口市)の本社などを家宅捜索した。関係先で模造品とみられる製品や資料などを押収、販売実態などの解明を進める。
 県警の調べでは、同社はインターネットの通信販売サイトで、ホンダの子会社「ホンダアクセス」(同県新座市)が特許庁に意匠登録した小型車「フィット」の純正カーマットと酷似した製品を販売し、意匠権を侵害した疑いが持たれている。
 県警などによると、同社は模造品を純正品の半額以下で販売していたとみられホンダアクセスが複数回、警告したが応じなかっため告発したという。
 同社ホームページなどによると、同社は平成9年に設立。国内外に20カ所以上の生産拠点があり自動車用品の企画、開発や販売などを行っている。巨山ジャパンは取材に対して「この件に関しては何もお話できない」とコメントした。
 
解説
 
著作権侵害罪、商標権侵害罪と比べて、意匠権侵害罪の摘発は珍しい。
 
著作権と異なって、純正品を模倣したか否かは論点にならず、特許庁に意匠登録されている図面と模倣品とを比較することになる。
 
このような事案に触れると、意匠登録されている図面と模倣品とを比較するより、市場に流通されている純正品と模倣品とを比較する方が、デザインの保護という観点から優れていると考えられる。
 
刑法総則が適用されるので、故意の要件が求められる。
 
被疑者は意匠権侵害の警告を受けた後であっても、輸入、販売を継続しているので、事実の認容があったと解される。
 
 
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