第6章誘導電動機 6.3等価回路の導出

 

 等価回路を利用していると、知らず知らずのうちに瞬時値も扱えるように思ってしまいがちです。

 

 しかし、等価回路の変形過程を踏まえると、それは錯覚です。

 

 誘導電動機の二次回路の周波数は、以下の記事でも言及しているように、一次回路の周波数とは異なります。

誘導電動機の等価回路の理解に向けて!二次周波数(滑り周波数)は、なぜ一次周波数の滑りs倍なのか? | 電験三種向け 発電機・電動機・変圧器の解釈 (ameblo.jp)

 

 しかし、変圧器の等価回路に寄せる変形を行うことで(誘導電動機の等価回路の理解に向けて!なぜ変圧器の等価回路に近づけようとするのか? | 電験三種向け 発電機・電動機・変圧器の解釈 (ameblo.jp))、二次回路の周波数を一次回路の周波数(電源周波数)と同じであると見なす処理がなされます。

 

 これが原因で、二次側の諸量は瞬時値に対応しなくなってしまうのです。

 

 瞬時値に対応できていない回路を、果たして等価回路と呼んで良いものか悩ましい限りです。しかし、電験三種の出題は、この等価回路を前提に作られていますので、試験に臨むに当たっては割り切りも必要です。

 

 ところで、瞬時値に対応しない等価回路とは、結局のところ何を目的に重要視されているのか?

 

(その解説は本書に記載されています↓)

電験三種向け 発電機・電動機・変圧器の解釈 - 基本原理から公式の詳細 - | パテレクト (patelect.base.shop)