第4章 同期発電機 4.4 電機子反作用

 

 同期発電機について電機子反作用(電機子に流れる電流が形成する磁界)を考えるとき、発電機に接続される負荷の種類に応じて、その磁界の向きが異なります。

 

 電験三種の出題では、その磁界には、向きに応じて横軸反作用とか、直軸反作用とか命名されており、更に、磁極の左右で強め合うとか、弱め合うといった説明がなされることがあり、論説問題として出題されるケースが多い印象です。

 

 しかし、このような話をいきなりされても、意味が分からないのが普通だと思います。

 

 よく見かける解説では、数行から十数行の説明で済ませていることが殆どで、少し丁寧な解説だと、図も使って説明されていますが、大抵の場合、言葉足らずで図の意味が分からないというオチが待っています。

 

 たしかに、同期発電機の電機子反作用を考える場合電源の結線(Y又はΔ)や、負荷の結線(Y又はΔ)の組み合わせだけで2×2=4通り、負荷の種類(抵抗のみ、リアクトル負荷のみ、又は、コンデンサのみ)でも3通りを考慮せねばならず、全体として4×3=12通りものモデルを考慮する必要があります。これでは、心が折れそうになるのも、無理はありません。

 

 しかも、1通り毎に電流や起電力の位相と、磁極の位置関係を把握した上で、電機子の形成する磁界と、磁極の形成する磁界の向きを考える必要があります。そうしないと、電験三種の問題には対応できないでしょう。

 

 通常の解説が数行から十数行の説明で済んでいるのは、全てを把握しきった人の総論的な内容になっていますので、暗記で済ませる分には十分と思いますが、理屈から把握したい人にとっては辛い状況となります。

 

 本節では、まず電機子反作用を考える際の電源結線と負荷結線をどのように捉えるべきかというところから解説し、電流や起電力の位相を踏まえて、負荷ごとに電機子反作用の向きがどのようになるのか解説をしています。

 

(その解説は本書に記載されています↓)

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