第1章 誘導起電力 1.4 自己誘導起電力

 

 電験三種の同期電動機や誘導電動機で利用される図1や図2の回路には、誘導性インピーダンスiωL(iは複素数表示における複素数、ωは回路の角周波数、Lは回路の自己インダクタンス)が含まれています。

 

 ωLの部分は、同期リアクタンスとか、漏れリアクタンスXという形で表現されて  

いることも多いと思います。

 

 しかし、この誘導性インピーダンスiωLは、どのようにして導出されるのでしょうか・・・?

 

 [理論]分野の交流理論では、次の図3に示すコイルに対してファラデーの電磁誘導の法則(誘導起電力=-dΦ/dt)を適用することで、誘導性インピーダンスiωLを導出するのが一般的な説明だと思います。

 しかし、同期電動機や誘導電動機においては、コイルの巻き方を明確にしないと図3のモデルを適用できないですし、コイルの巻き方が明確になったとしても、コイルを貫く磁束Φを特定して時間微分を実行することは容易で無いはずです。この点については、以下の記事でも触れています。多極の発電機や電動機の誘導起電力の理解に、ファラデーの電磁誘導の法則では不十分? | 電験三種向け 発電機・電動機・変圧器の解釈 (ameblo.jp)

 

 もし、それができたら、同期機や誘導電動機の理解に苦労しないですよね…

 できれば、そうであって欲しいとは思います。しかし、難しいのが実際の所です。 

 そもそも、同期電動機や誘導電動機での誘導性インピーダンスiωLの導出方法を試みた電験三種用の情報も見かけない印象で、誘導性インピーダンスは、iωLとの結論ありきの解説が多いと思います。

 

 そこで、本節では、ファラデーの電磁誘導の法則に頼ることなく、同期電動機や誘導電動機で形成される回転磁界との関係性を踏まえて、誘導性インピーダンスiωLを導出する方法を解説しています。

 

(その解説は本書に記載されています↓)

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