うちと1番地違いで「前田」さんというお宅があった。
1丁目2番がうちの「前田」だとすると
1丁目3番も「前田」さんという具合。
なんとも郵便屋さん泣かせなのだ。
家が隣どうしでもなく、通りを隔てたあっちとこっち。
時々郵便物が間違って届くのも無理ないっちゃー無理ない話で、慣れた。
間違って届いた中で最初に印象に残ってるのは
前田君の赤ペン先生の答案。
その頃息子はまだ赤ちゃん。
「向こうの前田君は小学生なのね」
間違って届いた郵便物は、配達元に戻したりしたけど
相手の家がわかってからは、直接ポストインすることもある。それは、あちらも同じらしい。
法律的にどうとかは知らないけど、お互い様。
数年後、こんなこともあった。
西濃運輸の大きなトラックがうちの前に停まった。
なんだ、なんだ…
インターホンが鳴り、出てみる。
西濃運輸って、一般的な宅配便を運ぶ業者じゃないよなー。
「どちらからのお荷物ですか?」
「トンボ学生服さまから、前田〇〇さんへお届け物です」
「あ、それ、1丁目3番地の前田さんですね。うち、2番地です」
恐縮して去って行った西濃運輸さん。
赤ペン先生出してた前田くん、どうやら中学生になったらしい。
その後、何年かに1枚年賀状が紛れてたりして
お友達のコメントから
「お、前田君、ツイッターをはじめたのか」
なんて、見るつもりもなくちょっとした近況知ることもあったりして。
で、この春。
前田君は、フレッシャーズな歳になったらしい。
計算するに、高校卒業。
おめでとう。
もうスーツは買ったかい?
あっという間だね。もう大人だね。
赤ちゃんだったうちの前田君も10歳になりました。
前田君の春に、面白い生活が始まることを遠くから
…じゃなくてめっちゃ近所から祈ってます。