最近読んだ本、山田風太郎氏の戦中派焼け跡日記のなかでまさに日本の現況を言い表した個所があったので、紹介することにした。
それは、昭和21年1月16日の日記の箇所である。
「今の日本の新聞は何処の国の新聞か分からない。今の日本の檀上で叫ばれる口、今の日本の紙に書きなぐられる筆は何処の国のものか分からない。
寂しい。寂しい。あんまりひどい。あんまり惨めだ。」
確かに、集団的自衛権を柱とする安全保障関連法案についての新聞、テレビ、雑誌などでの論調をみると、まさに何処の国の新聞、テレビ、雑誌なのかと、疑いたくなるものがある。
議論の内容からすると、少なくとも日本の新聞、テレビ、雑誌ではない???
でも一応日本の新聞、テレビ、雑誌。
そうすると、安全保障関連法案が成立しては困る外国勢力の代弁機関。
それならば納得できる。
こうなると、安全保障関連法案(戦争防止法案)の早期成立を望む。
ただ、朝鮮半島有事には係わらないようにしてほしい。
日本国内が戦場になるおそれがあるからである。
2010年7月7日の日経新聞の記事「1960年の日米安全保障条約改定の際、条約の適用範囲を拡大する案に対し、 当時の岸信介首相が朝鮮半島などでの戦争に巻き込まれる恐れがあるとして 反対を表明していたこと」を思い出して欲しい。
なお、戦中派焼け跡日記には、
昭和21年3月7日
「新憲法制定される。戦争は永遠に放棄。痴人のたわごと。」
また、昭和22年から23年の戦中派闇市日記には、
昭和22年7月27日
「日本が軍備を撤廃(実は剥脱された)というだけで世界に再び戦争が起こらぬときめこんでノーノーとしている日本人を見るほど滑稽なことはない。全世界は軍備に狂奔しているではないか。」
山田氏が日記に記したこのことが世界の一般的な常識なのかも知れない。
どうだろう、何か間違っているのか?