少し前に、

「人が何かを選ぶ/欲しくなるって、
 記憶や五感と結びついてる」

って書きました。


いわば、すっごい個人的な理由。

いわば、“わがまま”。


(「あたいの態度、何か?」

 くらいわがままかも・・・。(^-^;)


アマノジャクかもしれませんが、
買う側がそんだけ“わがまま”やったら、
作る・売る側だって“わがまま”でも
いいんじゃね?って思った。



今日も“根っこを掘り出す”堀美和子のブログに
お越しくださり、ありがとうございます。
あなたに感謝ですっ!






商品開発する時は、よく
「マーケット調査をして」とか、
「POSデータを見て」とか言われますよね。

今の流れを掴んでそこに沿うものを出す、
というのは、ある意味正しい。

俗にいう「マーケットイン」です。


でも、市場調査をして開発したものが
全て売れるかというと、そうでもない。汗




鳴かず飛ばずっていうのも
山ほどできる。

「あれほど数字を集めたのに」って、

開発担当者の恨み節です。(-_-;)



グループインタビューとかで、
「マーケットの声」を聞くことは、
無駄ではありません。

参考知識として有効です。

 

 


でもそこには「本当に欲しい」は
反映されてないかもしれない。




例えばアピックスインターナショナルの
「レトルト亭」って知ってますはてなマーク


手っ取り早くいえば、、
お湯もコンロも電子レンジもなしで
レトルト食品を温められるマシン。

ただそれだけ、です。


(お鍋、要らないんです。)


昨年、クラウドファンディングで
2,255万円超の支援を集め、
今年初めの一般発売後は、
単月で約2万台売れた、という
今年上半期のヒット商品です。


これが世に出たきっかけは、

「コロナ禍で在宅時間が増え、
 レトルト食品の販売数が増えている」

というニュースを開発担当者が耳にしたこと。


この方、ふと考えたそうな。

「レトルト食品って
 便利なようで案外不便じゃないか?」と。



そう、、、
「実は温めるのがちょっと面倒」。

 






目の付け所は良かったが、
いざ社内の会議にかけてみたら、大紛糾。

「お湯くらい沸かしたらええやん」

という声が多数。





そこで
「じゃあまずクラファンで様子を見よう」
ってやってみたら、想定外の大反響ビックリマーク



「レトルト亭」は、

もし担当者が自分のわがまま

=「メンドイ」を引っ込め、

代わりに

消費者インタビューとか

やってたら、
きっと誕生してません。

 


レトルト
=温めるか別の容器に

 移してレンジでチン
 っていう常識というか

 理性が勝つから。

※今はパウチのまま電子レンジOK

 なのも結構あります。





開発者だって、

めんどくさがりの人間、
という大きな×2前提条件を
無視してしまうと、

生まれるはずのヒットさえ
生まれなくなっちゃうあせる

という事例です。


(人間も実はこんなふうにダラダラしたいと
 思っている。(^-^;)



そんなことをつらつら考えてたら、

「そうか!

 大人だってキラキラしたいのか」乙女のトキメキ

と気づかせてくれるエッセイに出会いました。



朝日新聞の夕刊で澤田瞳子さんが連載されてる
「カバンの隅には」。

そこにこんなタイトルが。
  下矢印
「キラキラしたい」

 



澤田さんの「キラキラしたい」
=(子どもの)光る靴。

靴底がLEDライトでカラフルに
光るやつです。
(多分、こういうの。)


あれを見る度に、
「可愛いなあ、私も履きたいなあ」と
思うのだそうです。


履きたくて靴屋を通りかかる度に
「大人向けはありますか?」と
聞くのだけれど、わずかに

「ローラー付きのものならありますよ」
という返事。ショック



しかし澤田さんは別にローラーで
かっ飛ばしたいわけではない。


だから余計な機能は要らない。

「私は日常的に、

 足元をキラキラさせたいのに!」
らしいです。





これも、

一人の大人のわがままと見過ごすか、

「あー、確かに思った!
 私も履きたいって。
 でもああいうのって子供向けだから、
 諦めてたんだ」

と靴メーカーの担当者が共感し、
もし自分の「欲しい!」を貫いたら、
ヒット商品になるかもしれない。

 

 


商品開発や企画っていうと、
ついつい

まじめに、
硬く、
難しく、
企画書はデータと数字だらけが良い、

というふうに思いがちですが、


作る側だって人間である、
という大きな、大きすぎる前提を
外してしまうと、

売れるものやサービスは
生まれません。


 



「楽したい」、
「ズボラしたい」は、
人間の永遠のテーマ。(?)



(お掃除ロボが生まれたのも
 「楽したい」心から?)

そう思う心、捨てるなんてモッタイナイ。




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