昨日、「スイーツも、作る方達も半端ない」
と実感したことを書きました。

そんな甘味を含め、
「食」の持つ力のすごさを、

 

揺れ動く世相の中で改めて感じました。

 




今日も“根っこを掘り出す”堀美和子のブログに
お越しくださり、ありがとうございます。
あなたに感謝ですっ!







東京で複数の飲食店を経営する知人が、
混乱と悲嘆のるつぼにある
ウクライナを思って、「せつない」と。



「どこのどの時代に生まれるか」、
そんな自分ではどうしようもない領分で、

生き方が大きく左右されるのは、ホンマに
「せつない」としか言いようがない。




知人のFacebook投稿に対して同じように
「せつない」としか返せなかった私ですが、

ふと、
1月下旬の朝日新聞の「日曜に想う」って
コラムを思い出したんですよね。


そこには「少々古い話になる」という書き出しで、
1999年のコソボ紛争を現地取材した様子が
綴られていました。


書かれた編集委員さんは当時、
北大西洋条約機構(NATO)の
78日間に及ぶ空爆が終わったばかりの州都に
同僚の記者さんたちと入られた。


その時の状況は、

「セルビアの部隊は撤退し、
 途中まで同行していた英軍部隊は
 まだ到着していなかった。
 秩序の守り手を失った州都は
 銃声が散発し、混乱の極みにあった」と。





「今晩どこに泊まろう」
「へたに動けばスナイパー(狙撃手)に狙われる」


気持ちがささくれ立つ面々を正気に引き戻したのが、
尊敬する先輩記者のひと言だったそうです。



「まずはご飯を食べて、

 それから考えませんか」

  

その状況でご飯を食べる所なんてあったの?
と思ったのですが、

「驚くべきことに、
 戦火を耐え抜いたホテルの食堂が営業していた。
 いささか粗末ではあったけれど、
 温かい食事が凍えきった心を
 ほぐしたのを思い出す」と。



(きっと一杯の温かいスープが
 ごちそうだったんだろうなぁ。)


スプーンフォーク スプーンフォーク スプーンフォーク 引用ここから スプーンフォーク スプーンフォーク スプーンフォーク

「食べること」は、
単に胃袋を満たすことではない。

戦争など「非日常」を生かされる人にとって、
「食」という日常のいとなみが、
人間としての理性と尊厳を取り戻す
手がかりとなる――。


そう教えてくれるのは、
セルビアの首都ベオグラード在住の
詩人・翻訳家の山崎佳代子さんが
4年前に出した著作「パンと野いちご」
(勁草書房)である

 

スプーンフォーク スプーンフォーク スプーンフォーク 引用ここまで スプーンフォーク スプーンフォーク スプーンフォーク




「食は人を幸せにする」以前に
「人を正常にする」。

 

 


コラムの続きには、

料理=

正常な気持ちの甦(よみがえ)

と書かれていて、

今まで、美味しさとか安さとか
そんなことばかりが喧伝されてきたのは

ひょっとしたらちょっと違うんじゃないか
って思った。




何気ない町角のタコ焼きやさんが、
国道沿いの定食屋さんが、
フードコートのラーメン屋さんが、




提供する「食」が、
誰かのささくれだった心を元に戻すかもしれない。



トゲトゲの心のままだったら、
平気で他人を傷つけるツイートとか
しちゃうかもしれないけど、

「正気」に戻ったら、
もうそんなことできないと思います。



 

 


「一人の人が正気に」

なった向こう側には、
10人、100人、1000人の

泣かずに済む人が

出てくると思う。





そんなことを考えてたら、
これまた不思議なことに、

静岡の知人のFacebook投稿に、
その方のお知り合いが、

「料理は食べる魔法。
 私がまだ駆け出しの小僧の頃に
 親方から教えられた言葉があります。


 『食べる人の心を満たせる料理が
  本当の意味での御馳走』だと」


と書いておられたのを読みました。




飲食店を経営されてる方、
あなたが供する一皿は、
目の前のお客さんを
“整える”だけじゃないんです。



 

 



飲食店だけじゃなく、
私たち一人ひとりが、
これまでよりもっと
日常を丁寧に生きること。



これこそ狂気に巻き込まれないために、
今確実に私たちができることの一つでは
ないでしょうか。





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