シニア女性の「えっ、こんなに!?」という笑顔で
締めくくられる某買い取り屋さんのCM。

自宅まで来てくれて、
着物や古銭を高く買い取ってくれるというのですが、
ご覧になったことはありますか?




(こういう買い取り屋さんですよね。)



着物とも古銭とも記念切手とも縁がない私は、
不要なものが処分できてお金に代わるんやったらエエんちゃう、
程度に見てたんですが、

当事者(CMや広告のターゲット層)はどうも違うようで。。。


今日も広報ジャーナリスト・堀美和子のブログにお越しくださり、
ありがとうございます。あなたに感謝ですっ!






実家に帰った時に母がポツリともらしたんです。

「着物とかどうしよう?(=どう処分したらいいか)」と。


  




「今いろんな買い取り屋さんが
 家まで来てくれるから、(査定を)頼んでみたら?」
 
と気軽に返したところ、

「どうもああいう方(CMに出てるような男性買取業者さん)に
 家にあがってもらうのは・・・」と、


全く気乗りしない様子。




そもそも知らない人を家にあげて、
しかも、それほど高価でないとはいえ、
自分の財産を見せる・・・って、
フツーありえないことですもんね。(^^;

特に母くらいの世代からすれば、
家に営業系の人をあげるって、
百貨店の外商さんか、住宅会社の人くらい。


だから、

どれほどの心理的な壁=障壁があるかが
ものすごく伝わってきました。あせる




(冗談ではなくまぢでこれくらい高い。あせる




なので、

「どうしても処分したい時が来たら、
 私でもよっちゃん(弟)でもまっこ(妹)でも呼んで。
 お母さん一人やなかったら心強いでしょ」

というと、
やっと安心というか得心した表情になりました。





ターゲットになる人が実はそんなことを考えてたなんて、
あのCMの会社は知らない、
ってか想像だにしてないと思います。



もし、そういうターゲット心理を知ってたら、
実績だけを誇示するCMを打ったって仕方がない、

と分かるはずだから。



(例えばこんなのとか。。。)




買い取り業者さんって、恐らくなんですが
かつてはお金持ちの相続なんかの際に、
一括で査定し引き取り手のないものを買い付けてきた。




(こういう蔵が主なお客さんだったのかもです。)



それで成り立ってた商売が、
ライバルの大量出現か、
はたまた対象の減少かで、うまくいかなくなってきた。ショック




ふと目を転じれば、
一般ピープルの自宅に眠る古物にも
意外とエエもんがあるやん!と。

素人さんならこちらが超目利きでなくても、
そこそこの買い取り額を提示すれば納得してくれる。

しかも、ちょいと手を入れるなりなんなりすれば、
ジャパンブームもあり、
立派に貸したり売ったりすることができる、、、
と気づいた。



だからああいうCMなり広告なりが
バンバン出てきたんじゃないかなぁ。




ただそこで、
ターゲットの姿と心理をちょい読み間違えた。




今、一人暮らしの高齢者が確実に増えてて、
終活したりする人も増えてます。




自分が死んだ後で、
子供や孫や親族に余計な手をかけさせたくないと。



終活本なんかを見ると、
遺された人は物(遺品)の処分に一番困る、
なんてことも書かれてるから、
勢い自分の持ち物に目が向きます。

捨てるにはしのびない。

かといってもう、
自分で古物商に持ち込む体力も気力もない。




さて、どうしようか・・・?



その時にああいう広告が目に入る。

いくつか見てみる。




一旦は「いいかも」と思っても、
冒頭のような理由で

電話に伸ばした手を引っ込める。






これ、日本全国であるアルだと思います。





もし私がああいう買い取り屋さんの販促担当で、
もう一渡り自社の実績を知ってもらえたなと思ったら、
今度は、

おうちに伺うのは

〇もちろん古物商の許可を取得した者
 (や法人の従業者)であり、





〇マナーや礼儀作法に関する検定の合格者であり、

 


〇一定の査定歴があるプロである、

 

 


ことを前面に打ち出す広告に方向転換します。

 


もちろん、担当者の顔出しで。

 


同時に、自社ブログやSNSで
自筆の「お客様の声」を紹介し、
担当者と自社に対する警戒を解いてもらうよう
心がけます。





マーケティングを行う人間はよく
「消費者インサイト」という言葉を使います。

そこを腑に落としていないと、
的外れになってしまうからです。



今回のケースも、まさにそれかなぁ・・・。





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