昨日のブログの最後に、
私が「これだけは譲れない!」と考えてることを書きました。
そういう“根っこ”を作ったもの、
それは新人記者としてスタートした頃の
鬼上司(^_^;)の一言でした。
今日も広報ジャーナリスト・堀美和子のブログにお越しくださり、
ありがとうございます。あなたに感謝ですっ!
新聞社も普通の会社と同じで、
入社すると集合研修→各部署研修と回り、
配属発表があって一つの部に属します。
私は最初、英文雑誌の編集部門に配属され、
半年ほど経って「編集本部外信部」という
海外からのニュースや外資系企業、大使館を担当する
セクションに異動しました。
普通の記者より半年遅れのスタートです。
だからか、指導してくれた上司は、
チョー厳しかったッス。(;-_-A;)
その人は、私たち新卒が入るのと時を同じくして、
ニューヨーク支局から戻ったキレモノ過ぎる御仁。(^_^;)
語気鋭い第一声は、
「最初にこれだけは言っておく。
俺たちは、企業の手先ではない」。
要するに、
「これを忘れた時、お前は記者ではなくなる」
という宣告です。
これを骨の髄まで叩き込まれた私は、
その後、住宅メーカーを経て独立しても、
“骨の髄”は変わりませんでした。
スタート時、
それを思い起こさせてくれる依頼に出くわしたんです。
「在庫処分目的のプレスリリースを書いてほしい」と。
聞いた瞬間、
「申し訳ないですがお受けできません」と断ってました。
たとえどうテクニックを駆使しようとも、
そんなリリースが取材される可能性はありませんでしたが、
なにより記者に、「この企業の手先になれ」と
唆(そそのか)すリリースだと思ったからです。
独立してすぐですから、
一件でも多くの仕事がほしい・・・
そんな状況にも関わらず、
私に「NO」と言わせたのは、
あの上司の一言でした。
それ以降も、親切心から、
「ネットでプレスリリースの書き方を売ると儲かる」
というアドバイスをくれる人が現れたりしましたが、
そこで提示されたLP(ランディングページ)を見ると、
記者目線で「げっ」と言いたくなるようなシロモノ。
もし私がそんなネット教材を売り、
つながってくれている記者がそれを知ったら、
「こんな我々をバカにするようなものを売って・・・」
と、即座に関係性を断たれてもしょうがない。
そんなふうに見えるシロモノでした。
「記者の気持ちなんて考えなくていい。
自分がどう稼ぐかだから」
とおっしゃる方もおられましたが、
それは考え方の違いで、
記者の心が分かる者にとって、
まるで「相手を手玉に取れ」、
「化かしてでも成功せよ」と推奨するような商材は
どうしても納得がいきませんでした。
お金の稼ぎ方って、世の中にはいっぱいあって、
手の中の一万円札に黒いも白いも、ない。
けれど、広報という
“善い三角関係”※を作らなければならない立場として、
その一辺となる記者の気持ちを考えなくてもいい、
なんてスタンスは、無理です。
嫌だ。
※メディア向け広報の場合は、
この三角形をどれだけいい形にできるかに
心を砕きます。
広報とは、
情報と気持ちのキャッチボール。
ボールを放りっぱなしにするんじゃない。
(無理な玉を投げても取ってもらえません。)
その基本が心魂に徹しているなら、
「相手がどう思おうと関係ない」という
考え方は、そもそもムリです。
あ・・・
「他の広報人と私の違い」ってここかもしれない。
情報を伝えられる側、
情報を伝える側、
そして今、仲を取り持つ側、
三者を経験したからこその、
≪誰も置き去りにしない広報≫。
無理強いや、嫌な思いをしてまで、をしない。
儲けたもん勝ちな世の中で、
吹けば飛ぶような思いですが、
長崎の高校生平和大使や、
長崎市長が言ったように、
「微力だけど無力じゃない」を信じて
やっていこうと思います。
元々、広報って、
「いかにお金を使わず、
知恵とアイデアで社会を味方につけるか」
ですし、
少しでも善い世の中にしていきたい、という
企業や組織の志に記者が賛同して取材し、広めるって
ことですから。(^_-)-☆
“肉食系”ではない“草食系”?(^0^;Aな広報人を、
どうぞよろしくお願い致します。m(^_^)m
ご訪問ありがとうございました。m(_ _)m
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