チャレンジングなモノづくりに共同参画している友人がいます。
初めは意気投合してスタートしたものの、
なんか紛糾しちゃってるらしい。(^_^;)
相手方は、「まずサンプルが要る」。
友人は、「それ、要るの?」
そこから先へ進まないのだと・・・。
今日も広報ジャーナリスト・堀美和子のブログにお越しくださり、
ありがとうございます。あなたに感謝ですっ!
ん~~、もろもろな要因が重なってるみたいで
外野からどうのと言うことはできませんが、
恐らく相手さんの考え方はこう。
↓
「こんなんできた/できるから、いりませんか?」
と売りに行きたい。
どんなモノづくりでも、もちろん、
サンプルが作れるほどの実現可能性とか
実装性の確信(データ、証拠etc.)は必要です。
『Back to the future』に登場する本物のデロリアン号とか、
『ハリー・ポッター』の魔法の杖とかが、
どれだけ良くてもどれだけ欲しくても、
無理なように。σ(^_^;)
そんな夢の世界の品でない限り、
まず押さえなければならないポイントは、
サンプルよりも、
誰が欲しいか?
どこが欲しいか?
どんな時に欲しいか?
を考える/探ること。
一般にマーケティングと呼ばれる行動であり、
仮説~検証の調査も含まれます。
「こんなんあったらええんちゃう?」とか
「なんかこんなん探してる人、いてるやろか?」とか
考えてみて、
「こうかなぁ~?」と調査検証していく中で、
一番近い仮説(対象)を絞り込み、
その《相手の状況に対して》売っていくと考える。
すると自動的に
〇じゃあどんなスペック(性能・外観)が必要か?
〇価格ラインは?
〇デザイン性は?
〇供給・配送に必要な能力・キャパシティは?
なんていう諸々が導き出されてきます。
これまで技術ありきだった
自動車メーカーもこういうことに気づいて変わってきてる。
例えば、マツダは「技術(=モノ)からの発想」ではなく、
「ワクワク感(=コト)からの発想」に開発過程を
180°切り替えようとしてます。
広島大学と協同で
感性を簡便に可視化する技術を開発し、
ドライバーはいつ、
どんな時にワクワクするのか?という、
既存のモノづくりからはすんごく遠い所からのアプローチ
を始めています。
また、あの「ネジザウルス」で有名な(株)エンジニアの
高崎社長は自論として「MPDP理論」を展開。
M=Marketing
P=Patent
D=Design
P=Promotion
まずマーケティングありき。
ここでいう「M」とは、狭義のマーケティングではなく、
消費者の言葉にならない“不”を探り、
仮説を立て、リサーチし、データを集め、
商品の概要を決める、という幅広いものです。
概要から詳細へ向かうに当たって
押さえるべき技術も明確になっていきます。
それを完成させ、法的に守るのが「P」です。
設計図のままでは誰も欲しいとは言いませんので、^^;
使いやすさ+技術を最も発揮できる形+「欲しくなる」外観
を「D」で作り、
最後に「P」、どうやって売り出すかを企画する。
この4つがこの順番で揃い、
全てが整った時に「Go」を出すのだと。
それまでどれ一つが欠けてもヒット商品にはならないことを、
約1千件という膨大なアイデアと試作品(失敗品^^;)から
体得したそうです。
件の友人が手掛けているのは、
元々がチャレンジングなもの。
それに対して、
サンプル=ほぼ完成形に近い姿や仕様、
を求めてしまうと、
それだけで膨大な時間を費やしてしまいます。
挙句、
日本企業が陥りがちだとさんざん指摘されている
・過剰仕様(オーバースペック)
・スピード感のなさ(出した時は手遅れ)
の罠にはまってしまう。。。
自社の資源とか、自分の狭いネットワークの中だけで
完結しようというのも悪い癖ですよね。
モノから発想する
=モノがなければ始まらないと考えること、
そろそろ止めにした方がいいように思います。
スタートトゥディ※1が、衣料品不況が叫ばれる中でも、
「世界中をかっこよく、世界中に笑顔を」
という企業理念のもと、
売上高前期比32・1%増(2016年3月期、544億2200万円)
を達成したのも、
遡ること四半世紀、
ソニー創業者の一人井深大さんが、
「人間の心を満足させる、
そういうことではじめて科学※2の科学たる所以がある。
そういうことを考えていかないと
21世紀に(ソニー)は通用しなくなる」
と述べたのも、同じ根っこだと思うんですよね。
(そういうパラダイムシフトができにくかった
あの会社の現況は、皆さんもご存知のとおりです。)
※1アパレルのオンラインショッピングサイト
「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」の運営会社。
※2「科学」を「技術」と読み替えてみて下さい。
後に井深さんは、「トランジスタなんかね、
ボク自身が難しさを知らなかったからよかったと思うよね」
なんて言っておられます。
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