世界が注目したあの二人の握手を見た後で、





大阪の片隅で交わされた握手を見ました。


それは派手でも豪華でも華麗でもなく、
ひっそりと誰にも知られず、
権威なんてかけらもないけれど、

人の心を動かすのはどちらか、
教えてくれたような気がしました。



今日も広報ジャーナリスト・堀美和子のブログにお越しくださり、
ありがとうございます。あなたに感謝ですっ!






ここ大阪の西成区には通称「釜ヶ崎」と呼ばれる
日雇い労働の人たちが多く集まる地域があります。

(近年はバックパッカーの宿泊地としても人気。)



今朝のNHKニュースは、そこで30年前から続けられている
「子ども夜回り」のことを伝えていました。





釜ヶ崎のど真ん中にある「子どもの里」という児童館。

そこの子どもたちが、館長やボランティアと共に
夜の町に出て、野宿の人に声をかけて回るのです。



カメラは初めて参加した7歳の男の子を追っていました。

「おっちゃんたちになんて言ったらいいか
 (児童館の)おねえちゃんおにいちゃんたちを見て
 勉強する」

と言って出発したものの、やはり初めは怖い。

おっかなビックリで声をかけられなかった。





でも、「ほら、(段ボールハウスの端っこを)トントンと叩いて、
おっちゃん、こんばんはって、言うてみ」と促され、

徐々に徐々に、
自分から声をかけられるようになっていきました。


「おっちゃん、おにぎりいりませんか?」



「みそ汁、熱いから気を付けて」






手作りの温かい食事を手渡し、
「ありがとう」と言われるうち、

子どもらしい素直な疑問を口にするようになりました。



「なんでここで寝てるんですか?
 いつもここで寝てるんですか?」

「そやなぁ、いつもここやなぁ」



「やっぱり家とかないんですか?」

「うん、ないんよ」





なんでかなぁ・・・と
首を傾げる男の子を見てそのおっちゃんは、

「この子、かしこなるで(=賢くなる)」と。

すると男の子は、
はにかみながら「いつもそう言われるねん」と。





おにぎりを受け取ったあるおっちゃんが、
男の子の手をギュッと握りました。


最初の驚きはすぐに去り、
男同士のかたい握手に変わりました。






握り返した男の子の目は、
キラキラと輝いて見えました。




夜回り終了後、その子はカメラ(取材者)に向かって、

「おっちゃん、心を込めて握手してくれた。
 また夜回りする」
、と。






7歳の子でも、
相手が心を込めて握手してくれたかどうかが分かるんだ!?
って衝撃と共に、なんだか嬉しかった。




あのおっちゃんと男の子の間には、
“腹に一物”のかけらもない。


ただ、同じ町に生きる者同士が、
年齢も境遇も越え、
人と人として交わした握手。






あの、世界を揺るがした二人も、
本当に相手を思い、心を通わせたのかもしれません。

周りがあることないこと憶測してるだけかもしれない。


けれど、あのおっちゃんと男の子の握手ほど、
人を感動させ、何かを考えさせる握手はない、
と思いました。








人の心を動かすのに、大袈裟なことも、
ましてや権力なんて必要ないんですよね。


≪人の心を動かすものは、
 “草の根”にある。≫





この放送を見て、
広報ジャーナリストとして思ったことがもう一つあります。

それは、
「NHK大阪放送局等のメディアから
 “ボール”を投げられたな」

ってこと。

「我々が思わず伝えたくなる、
 人を、町を、社会を良くしたいと動く人やモノ・コトの情報、
 そんな“ボール”を投げ返してきて」と。



メディアという“拡声器”を使って良い情報を広めるための
“伝声管”の役割、改めて腑に落とした朝でした。日の出





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