昨日のブログの中でご紹介した
名張市の企業経営者とお話ししていて、
不思議な気持ちになったことがあります。
何回目かの塾の帰り際、
その人がこんなふうに言ったんですね。
「これからは、仕事をしているようでしていない、
そんな“在り方”が主流になるんじゃないか。
例えば、僕やあなたのように」と。
いわゆる“経営の定石”だけでは、
人が働き暮らし幸せになることはできないのではないか、
そんな考えが見えました。
~手前味噌で申し訳ないですが、
例えば私がやっている≪思いを伝える≫ようなこと~
こそ、大事なんじゃないか。
そんな、
これまでのビジネスカテゴリーにはめられない仕事を
「仕事をしているようでしていない」という表現に
落とされたみたいです。
今日も広報ジャーナリスト・堀美和子のブログにお越しくださり、
ありがとうございます。あなたに感謝ですっ!
広報ジャーナリストという仕事を始めてみて
より深く腹落ちしたことがあるんです。
やっぱり大切なのは、モノじゃなくて、
≪コト≫と、更にその奥にある≪思い≫だよな、と。
ただ、日本人特有の奥ゆかしさゆえか、
はたまた恥ずかしがり屋さんが多いのか、
なかなか≪コト≫も≪思い≫も
表には表してもらえません。
例えばプレスリリースのご相談に来られた方から、
そういうことを引き出すのは、本当に一苦労です。(~_~;)
「こんなことは当たり前」
「これぐらいの苦労は誰もがしている」
「わざわざ自分から言うのは口はばったい」
そうおっしゃるのを見るにつけ、
そんな“大切なお宝”をなんとか外に表してもらいたいと
直感で思いついたのが「物語塾」なんですね。
私たちは小さい頃から
~ものごころつくかつかない頃から~
「お話」を読み聞かされて育ちました。
寝入りばな、親に読んでもらった絵本、
幼稚園で聞いたお話の時間、
だから、大人になってもずーっと
「物語」っていう形にすると、スーッと入ってくる。
でも中には、「いい大人が物語なんて」とか、
「今さら物語なんて、子どもじゃあるまいし」と
軽く考え鼻であしらう方もいらっしゃいます。
でも、そうおっしゃる方ほど、
いくら研修をしても社員の心を掴みきれない、
いくらマーケティング手法を駆使してもお客様の心が見えない、
って悩んでおられることが多いんじゃないかなぁ。。。
精緻な経営データも、整備された規則もマニュアルも
それだけでは人の心をとらえきれません。
それならばと、休暇を増やしお給料を上げても、
モチベーションが上がるのは最初だけ。
もう一つ≪何か≫が要る・・・。
薄々、或いは意識の底で、気づき始めている経営者さんが
多くなってきてるような気がするんです。
それが冒頭の発言につながってるんじゃないか、と。
「物語」をバカにされている経営者さん、
どうか≪言葉の力≫を軽んじないで下さい。
例えば、あなたが起業された理由を、
熱い思いで家業を継がれた理由を、
こんな書き出しの「物語」でお話ししたら、
社員は、お客様は、お取引先は、
どんなふうに思われるでしょうか?
「日航ジャンボ機123便、その墜落の第一報を聞いたのは、
よくクーラーのきいたタクシーの車内だった。
祇園近くの四つ辻で車を停めて、
慌てて公衆電話に向かって走った。
テレホンカードを持つ手が震える。
涙があの細いスリットを滲ませ、余計に入らなかった」
或いは、
「夜というのは、こんなにも暗く静かだったことに、
ここ何年かで初めて気づいた。
病室のか細い照明に照らされた明治生まれの祖母の
顔を見ながら、幼い頃の厳しく温かい日々を思い出していた。
いたずらをした私のお尻を叩いたふっくらした手、
凛と着こなした着物から漂っていた白檀の香り、
いかがでしょう?
思わずこの先を読んで/聞いてみたくなりませんでしたか?
言葉というのは、
人の心を惹きつける力を持っています。
普段は厳しい顔をしている経営者のあなた、
いつもシビアな要求を突き付ける顔の向こう側に
思いもかけない姿がのぞいたら、
社員もお客様も取引先も、
驚き、新たな一面に共感すると思うんです。
「物語」は、そんな“目に見えない何か”を
つなぐ役目を果たすものなのです。
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