広報の専門家としては、やはり今
日揮(株)に注目せざるをえません。
Twitterなどでは既に、あの広報・IR部長の対応に
好意的な声が数多く呟かれています。
「東電とえらい違いやなー」と思いつつ、
会見を見ていて「これはお伝えしとこう!」と思った
危機対応広報のポイントを、
広報ジャーナリストの堀美和子からお送りしますね。
いつもお読み頂きありがとうございます。感謝ですっ!
実は私もこの事件が起こるまでは、日揮(株)って
名前ぐらいしか知りませんでした。σ(^_^;)
東証一部上場企業なのにね。(汗)
石油、ガス・化学をはじめとする様々な分野のプラント、施設を
建設運営する会社ですから、
そっち方面に関係がある人でないと、
なかなかわかりにくくはあります。
(同社HPより)
しかし、業種業態に関わらず、
広報がカバーしなけれなならないリスク案件は、
今回のようなトンデモナイ事件を頂点に、
個人情報の漏えいから、
社員の不祥事(逮捕とか)、追徴課税etc.まで
ホントにさまざまです。
普通(≒良いこと)の記者会見の場合でもそうなのですが、
このようにリスク案件の場合で特に大切になってくるのが、
17世紀フランスの貴族で文学者・ラ・ロシュフコー公爵が残した
次の名言だと思っています。
「真の雄弁は、言うべきことをすべて言い、
かつ、言うべきことしか言わないところにある」
今回の日揮の対応を見ていても、
〇情報は全て広報・IR部長を通して発信
〇裏が取れた確実な情報しか公表しない
〇それも、「現時点ではここまで」と明言し、
「新たな事実が分かったら、ちゃんと知らせてくれる」という
信頼感をマスコミに与えている
〇個人名を公表しないと言ったらそれを貫く※
〇それは恐らく、その時点では
情報を全部明らかにするのは危険としっかり認識しているから
〇日本人を含む外国人従業員全員の安否と捉えている などなど。
※政府は明日公表するらしい
いや、あの部長さん、
朝も夜もずーっと一人でメディアの前に出続けてるから
とんでもなく疲れもたまってるはず。
何日も徹夜してるだろう広報部員からのブーイングだって、
一身に受けてると思います。
それなのに、(どこかの政治家や社長がやりそうな)
愚痴一つこぼさず、
言葉づかいも顔つきも服装も、しゃんとしてます。
じつはこういう時でも、見た目って皆さんが想像されるより
相当大事。
恐らくあの会見を「思わず背筋を伸ばして見ちゃった、、、」
なんて方も多いのでは?
相当な修羅場を踏んできたプロ中のプロだと拝見しました。
官房長官よりよほどわかりやすくて、スポークスマンっぽいなあ。
社長は社長、広報は広報ってしっかり役割分担し、
それぞれの責任をちゃんと果たしてるしなあ。
今回の広報対応から学べるその他のポイントを
まとめておきますね。
本来あってはならない、あってほしくないことですが、
万一みなさまの会社やお店に突発的なできごとが起こったら、
ここまでに書いてきたことと併せて、
次のポイントにも注意してメディア対応して下さいね。
☆イエス・ノーをはっきり言う
日揮の広報・IR部長も「No」なら「No」って
はっきり言ってましたよね。
☆余計なことは言わないが、「言えません」はNG
☆「知りません」、「聞いてません」も無責任ワード
☆「わかりません」→必ず「いつ分かるのか」とセットで使う
☆「決めて(決まって)いません」→同上
緊急時こそ、自らの態度と対応を決め、
適切な情報を迅速かつタイムリーに出していくようにすること。
こういうことって一朝一夕にできるわけではありませんから、
日頃から、
「こういうことが起こったら、誰が何を決めて、
いつどこから発表するか?」ってシミュレーション
をしとかんとアカンのですよね。
私が勤めていた会社でも、
「危機対応の広報マニュアル」ってありましたから。
BCP(Business Continuity Plan:非常時の事業継続計画)
と同じで、
作っただけでなく、
実際に動かしてみて下さいね~。(V)o¥o(V)
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