浦島太郎の獣医師にならないように  Paradoxe de l’obésité | 天パパパは動物のお医者さん

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今年から日本臨床獣医学フォーラムが再開されました。





このセミナーにいつも参加してるんだけど、歳をとってくると参加する同級生も少なくなってきて、今年は誰もいない。





逆に教えてる側に、教授と准教授の同級生がいるくらい。でも、後輩とか専門学校の先生とかはいるんでいいけど。





獣医医療は進歩しているし、新しい薬もアップデートしないといけないから、僕は歳をとってもなるべくセミナーには参加してます。





まあ、そんな気持ちを汲んでか、タイトルに「浦島太郎」がついた講義がありました。






なかなか惹かれるタイトルです。




リンパ腫のプロトコルって変わっていくし、実際にはどう使うべきなのかを、臨床家はここで学んでアップデートします。





獣医師が浦島太郎ってあるあるです。僕が卒業した当時と今では治療や検査方法が違う事って多いんです。





「パラドックス(paradox)」っていう馴染みのない言葉があるんだけど(日本語訳はありません)。





昔は正しいと思われていた事が、実はそれは間違いで、全く逆の事実であったという事。獣医医療にはこれが多いんです。





例えば、心臓疾患の犬は体重があるほうが長生きできるから、痩せなさいというのは間違いだったり、


猫のエイズワクチンは実際は効果が全くなくて意味がなかったとか、


猫のFIPはウィルス変異で発症するのに、伝染するからと同居猫を殺処分してしまったのは間違いだったとか(米)。





何年か経つだけで、今まで正しいと思っていた事が平気でひっくり返ります。





そして、薬もどんどん新しくなります。エポベット(エリスロポエチン)、エラディア(メトロニダゾール)、アプカード(トラセミド)とか、ここ最近出た動物薬です。人間薬が動物用として使いやすく開発されていきます。





だだ、最近の新しい動物薬品名が覚えにくい。





僕たち獣医師は、薬剤名と商品名を覚えていて、カルテには商品名を記載します。看護師が間違えないようにという意味もあります。





薬剤名の一部が入っていると覚えやすい。エリスロポエチンの人間薬の商品名はエポジンやダルベポエチン。だからエポを取ってベットをつけるってのはわかりやすい。





でもさ、メトロニダゾールって、人間薬の商品名はフラジールって言うんだけど、エラディアって全く繋がらない。




ビルバック社だからビルバゾールとかさ。チニダゾールみたいに統一性が欲しい。しかも抗悪性腫瘍剤のパラディアとかぶるし。





動物薬が出ると薬剤名、人間薬の商品名に加えて、新たに動物薬商品名を覚えないといけない。





そろそろ頭の引き出しが壊れかかって開かないかも。





子供達の単語帳使おうかな。