「マサズ劇場」その92 那由他 | 吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

吉祥寺の時計修理工房「マサズパスタイム」店主時計屋マサの脱線ノート

東京都武蔵野市吉祥寺でアンティーク時計の修理、販売をしています。店内には時計修理工房を併設し、分解掃除のみならず、オリジナル時計製作や部品製作なども行っています。

 

「中島さん、モデルB、できました。ベゼルと裏蓋はまだ納品されてないんでうちで作ったやつを取り付けてありますけど、それが来れば完成です。」

 

「そうか。 まあ最終形と見た目が同じなら、展示品はそれでいいかな。 モデルAの方は完成してたよな?」」

 

「ええ、そっちはもう大丈夫です。完全な形になってますから。」

 

 

篠原のプロデュースしたオリジナルウォッチ「那由他モデル」の発表がいよいよ近づいてきた。

 

この機会にあらためて、篠原のプロフィールをご紹介すると、、

 

 

篠原那由他

1994年 東京都生まれ

 

2017年 東京造形大学建築デザイン科卒業後、ヒコみずのジュエリーカレッジ入学

 

2020年 在学中に製作した時計「Slow Moving Retrograde」が、 ドイツのメーカーLange & Sohne主催の時計コンクール「Walter Lange Watchmaking Excellence Award」にてグランプリを受賞。日本人として初めての最優秀賞受賞者となる。

 

 

その後、卒業までに更に2点の腕時計を完成させる。

 

2021年 マサズパスタイムに入社。アンティーク時計の修復を習得しつつ、オリジナル時計の制作を開始。現在に至る。 

 

 

ちなみに採用面接の際、大学の建築科から時計師を目指した理由について聞いたところ、「建築の場合、設計師として建物を設計しても、建てるのは自分じゃなくて大工さん。自分が設計した者を自分で作ってみたいなと考えていたところ、時計師という世界があることが判って飛び込んだ。」とのことだった。

 

 

その篠原にプロジェクトを任せたのは、入社の半年くらい経った頃だったか。

 

たしか2021年の10月だから、なんだかんだと言いながらちょうど2年が過ぎ去ったことになるが、、本人はもちろん、部品の仕上げを担当している佐々木をはじめ、周りで支えている連中もよく頑張ったと思う。

 

 

なにしろ製作プロジェクトなんてのは、それができあがるまでの間は一銭も生み出さないし、確実にできるかどうかの保証すらないというシロ物。

 

だから、キリのついたところで篠原にも少し修理の仕事を挟んだり、余裕ができたらまたプロジェクトに戻ったりといった感じで、塩梅をみながら進めたが。

 

フトコロのさみしいオヤジの視点からすると、、その何か月、何年もの間、店の屋台骨を支えたのは、周りの連中の働きなのだ。

 

 

さてさて、一つ目の時計は完成したものの、予約の正式な受付けを始めるにあたっては、まだ必要な準備が残っている。

 

現在、私の隣のパソコンでは、辻本がんーとかああーとか言いながらイラストレーターをいじっていて、、これは今後「那由他モデル」やオリジナルウォッチ「MP 1」のような作品を紹介する「Masa &Co」のサイトのページをデザインしているところ。

 

アンティーク懐中時計の販売や修理ではなく、独立時計師や小規模メーカーの時計が興味の対象といった方々をターゲットにしたページということになるが、時計のスペックや説明分は私が書くことになり、これだけでも結構な時間が掛かりそう。

 

 

今月中にはリリース予定のオリジナルウォッチ「Nayuta Model 」AとB。

 

                                       Model A 

 

                                      Model B

 

 

ちなみに、那由他とはインド仏教の概念で「とてつもなく大きな数量」という意味だが(実は私は知らなかった)、それを数式で表すと10の60乘「10^60」となるらしい(所説あり)。

 

つまり「Nayuta Model」の文字盤にはめ込まれた手彫りの「10^60」は、篠原の名前を表している。

 

 

 

一年間で、たった5本程度しか作れないModel Aと、10本程度のModel B。

 

リリースの日取りが決まり次第、このブログや各SNS、ホームページであらかじめお知らせするよういたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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