リムスキー=コルサコフ 歌劇『金鶏』 | クラシックばっか 時空間

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  今日 10月7日は、ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844~1908)の 歌劇『金鶏』の初演が行われた日です。(金鶏は中国の岩山や斜面の竹藪に生息するキジ目キジ科キンケイ属のキジの仲間 の名前です。)
 

 

(掛川花鳥園(静岡県)スタッフブログよりお借りしました。)

 

 

■「歌劇『金鶏』からの4つの音楽的絵画」より、
第3曲 ドドン王とシェマハ(シュマハ)の女王の踊り
ーーー (約 7分) ーーーーーーーーーーーーー

 

 

https://youtu.be/UbW12kX6kEQ

 

■2019年10月7日 ーーーーーーーーーーーーー




  ニコライ・アンドレイェヴィチ・リムスキー=コルサコフ(1844年3月18日(ユリウス暦3月6日) - 1908年6月21日(ユリウス暦6月8日))は、ロシア五人組の一人で、色彩感あふれる管弦楽曲や民族色豊かなオペラを数多く残した作曲家です。

 

   ストラヴィンスキーやプロコフィエフを輩出した「ロシア楽派」の実質的な創始者であり、ボロディンやムソルグスキーを世に紹介した功績は大きいといえます。

 

 

 歌劇『金鶏』(きんけい)は、プロローグとエピローグを伴う3幕からなる リムスキー=コルサコフが亡くなる前年の1906~1907年にかけて作曲された15作目の最後のオペラです。

  プーシキンの民話詩(おとぎ話)をもとにウラディーミル・ベリスキーが台本を書き、リムスキー=コルサコフによって作曲されました。

 

 

    およそのあらすじは、
「隣国の侵入に悩まされているドドン王に一人の星占師が危急の時に鳴く金鶏を献上した。
戦いが起こり、王は東方のシェマハの女王を獲得して凱旋するが、星占師が報酬として女王を要求したのを王が拒んだため、金鶏が舞い降りて王をつつき殺す。」というもので、幕前と終幕の後に星占師だけの口上で劇が架空のものであることを告げます。

民話に題材を求めてはいますが、風刺的で明らかに帝政ロシアに対する体制批判であったため、検閲を通過できずに当局から台詞の変更を求められました。

 


そのため、初演はエミール・クーパー指揮によりモスクワのジーミン劇場で、1909年の今日 10月7日に行なわれましたが、リムスキー=コルサコフはすでに世を去っていました。


 
■歌劇『金鶏』(全曲)
ーーー (約 2時間) ーーーーーーーーーーーーー
 

 


https://youtu.be/AJnAkpqVDcc

■2019年10月7日 ーーーーーーーーーーーーーーー




【参考】

  オペラの完成以前に、リムスキー=コルサコフは彼の他のオペラと同じように演奏会用組曲を作る構想を持っていましたが、手始めに全曲のうちから「序奏」と「婚礼の行列」を抜き出して編曲し、1908年2月16日にパリで開催されたロシア音楽演奏会でフェリックス・ブルーメンフェルトの指揮により初演を行っています。

 

 

 

  リムスキー=コルサコフがユルゲンソン社に送った手紙によると、組曲は今日演奏される内容とほぼ同じでしたが、途切れなく演奏される単楽章形式で、1908年の夏に編曲する予定だったようです。

  しかし、作業に取り掛かることなく急逝したため、組曲はリムスキー=コルサコフ未亡人の要請により、生前の彼のプランに即して、娘婿のシテインベルクとグラズノフが共同でまとめ上げました。

  「歌劇『金鶏』からの4つの音楽的絵画」と名付けられ、1909年にユルゲンソン社から出版されています。構成は以下の通りです。(全曲約28分)

・第1曲 序奏とドドン王の眠り(宮廷のドドン王)
・第2曲 戦場のドドン王           
・第3曲 ドドン王とシェマハ(シュマハ)の女王の踊り
・第4曲 婚礼の祝宴とドドン王の哀れな末路と死-終曲

 

 

 

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(※ロシア五人組に関する参考記事)


2013年
    1月18日 ・キュイ「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」
     1月 2日 ・バラキレフ  「イスラメイ」(東洋的幻想曲)

 

2012年
  11月12日 ・ボロディン  歌劇『イーゴリ公』より,「序曲」,他
    10月  7日 ・リムスキー=コルサコフ 「4つの音楽的絵画」
    3月 28日・ムソルグスキー  交響詩 「はげ山の一夜」
     3月 18日 ・リムスキー=コルサコフ 「シェヘラザード」
     2月   6日・ボロディン  交響詩「中央アジアの草原にて」

 

 

※ リンク切れはご容赦下さい。

 


 

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前日の3本足の蜘蛛の姿は見つからなかったが、その蜘蛛が作ったであろう巣は見つかった。

珍しく風が強かった日だったためか、巣は荒い輪郭を残すのみだったけれど、その中心らしい糸に小さな虫が絡まっているのが分かった。

けなげだと思う。精一杯生きている。
蜘蛛も虫も。