本「交響詩」は、1853年末~54年にかけて、グルックの3幕からなる歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』の序の音楽として作曲された。
そのきっかけは、リストがワイマール(ヴァイマル)の宮廷劇場でグルックのオペラ『オルフェオとエウリディーチェ』を上演することになり、オリンポス山の近くに住む当代随一の音楽家で、歌で野獣や森の木々までさえも感動されたとわれた「オルフェウス」について、色々な角度から興味を持って調べていたことに始まる。
そして、パリのルーブル美術館で発見したエトルリア(紀元前8世紀から紀元前1世紀ごろにイタリア半島中部にあった都市国家群)の瓶(壺)に描かれたほっそりとした指で竪琴を弾くオルフェウスの姿に霊感を受けて、歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』の「序」の音楽として本曲を書いた。(なお、歌劇のための「終曲」も書いている。)
それから、1854年の今日、2月16日にワイマール宮廷歌劇場で、歌劇への「序」として初演され、後に独立させて「交響詩《オルフェウス》」として出版した。
ドイツに生まれ、現在のオーストリアとフランスで活躍したオペラ作曲家 クリストフ・ヴィリバルト・グルック(1714~1787)が作曲した歌劇『オルフェオとエウリディーチェ』は、グルックのオペラの中で最も有名な作品であり、標題は『オルフェオとユリディス』や『オルフェオとエウリディス』などと呼ばれることもある。
物語のあらすじは、次のようなものである。
「ギリシア神話に出てくる詩人で音楽家のオルフェウスは、愛する妻エウリディーチェを失ってしまう。
その妻への愛情をこめた祈りが愛の神の心に伝わり、彼は下界へと降りる。
途中の恐ろしい魔物に屈せず、リラ(竪琴)を奏して怨霊や地獄の神々の同情を得て、エウリディーチェと再開することが出来るのだが、途中で彼女の顔を見れば再び死の世界へ戻ってしまうと、愛の神から言い聞かされていた。
しかしあと一歩という所で妻の切々たる訴えに負けて、顔を見てしまう。すると、エウリディーチェは失神してしまう。驚きと悲しみのあまり自らも死のうとする。
そこへ再び愛の神が現れ、二人の愛情の強さを認めてエウリディーチェをよみがえらせる。」というものである。
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(演奏時間:約10分)
クルト・マズア指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
■■ 交響詩「オルフェウス」S.98 R.415 □ ▶ Liszt - Orpheus - YouTube
□参考動画1□ 演奏時間:約12分)
■参考動画1■ 交響詩「オルフェウス」S.98 R.415 □ ▶ Orpheus, Symphonic Poem no. 4 --Franz Liszt - YouTube
□参考動画2□ 演奏時間:約11分)
■参考動画2■ 交響詩「オルフェウス」S.98 R.415 □ ▶ Liszt's symphonic poem no.4 Orpheus - YouTube
ハンガリー 3000フォリント 2000年発行
リスト「音楽アカデミー 125年」