今日 7月9日は、オットリーノ・レスピーギの誕生日である。
オットリーノ・レスピーギ(1879年~1936)は、イタリアの作曲家であり、音楽学者、指揮者でもある。
ボローニャに生まれ、地元の音楽教師だった父親からピアノとヴァイオリンの指導を受ける。1891年から1899年までボローニャ高等音楽学校において、ヴァイオリンとヴィオラをフェデリコ・サルティに、作曲をジュゼッペ・マルトゥッチに、音楽史を、古楽の専門家ルイージ・トルキに師事。1899年にヴァイオリン演奏でディプロマ(資格や学位などの免許状)を取得すると、1900年から1901年までと、1902年から1903年までの2度のシーズンにわたってロシア帝国劇場管弦楽団の首席ヴィオラ奏者としてペテルブルクに赴任し、イタリア・オペラの上演に携わった。また、ペテルブルクではニコライ・リムスキー=コルサコフと出逢って5ヶ月におよぶ指導を受け、その精緻な管弦楽法に強い影響を受けたとされる。
帰国してからはムジェッリーニ五重奏団の第1ヴァイオリン奏者として活動したが、その後は作曲に没頭した。1913年からはサンタ・チェチーリア音楽院作曲科教授に任命されてローマに移住し、教育者としても活動した。近代イタリアの器楽音楽の発展に貢献した功績は大きく、「ローマ三部作」と呼ばれる一連の交響詩、すなわち『ローマの噴水( Fontane di Roma)』、『ローマの松(Pini di Roma)』、『ローマの祭り(Feste Romane)』がとりわけ有名である。16世紀から18世紀の音楽に対する関心から、古楽に基づく作品も遺した。
交響詩「ローマの噴水」(1915~16年)のスコアの冒頭の序文には次のような説明がある。
「ローマの噴水の四つで、その特徴が周囲の風物と最もよく調和している時刻、あるいは眺める人にとってその美しさが、最も印象深くでる時刻に注目して受けた感情と幻想に、表現を与えようとした。」
(本交響詩は、従来の交響詩の自由な形式ではなく、古典的な交響曲にみられる4楽章構成をとっていて、それぞれは「夜明け」、「朝」、「真昼」、「黄昏」の時間帯と、ローマの名所4箇所の噴水が当てはめられている。なお、4つの部分は連続して演奏される。)
なお、 楽曲構成は、以下の4曲からなる。(演奏時間:約15分)
1.夜明けのジュリアの谷の噴水 -La fontana di Valle Giulia all'alba
2.朝のトリトンの噴水 -La fontana di Tritone alla mattina
3.昼のトレヴィの噴水 -La fontana di Trevi al pomeriggio
4.たそがれのメディチ荘の噴水 -La fontana di Villa Medici al tramonto
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■■ レスピーギ 交響詩「ローマの噴水」(1916年)□ Le Fontane di Roma - Respighi.wmv - YouTube