おかげさまで、先日のブログの記事「出張」がご好評をいただいています。皆様に関心を持っていただき、ありがたく思っております。
先日、ある患者様（以下、Ａさんと略）とご一緒に、その方が前に働いていた職場（小売り関係の大型店）にお伺いしてきました。
Ａさんの場合、前に勤めていた職場での人間関係のトラウマが原因で症状が出ていました。治療を受けてかなり回復してきたのですが、再就職しようと言う気持ちはあっても、「○○が起きたらどうしよう」という予期不安が強く残っていました。Ａさんの場合、今後治療を進め、再就職して人生を前向きに生きるためにも、どうしても一度その場に戻ってみる必要がありました。いわゆる暴露療法です。
ご家族からは、これまで数回家族同伴で前の職場に行こうとされたとお伺いしていました。ですが、ご本人の症状が出てしまうことが続いたため、ご本人とご家族のご要望で、症状が出ても対応可能な医師が同行することになったんです。
行くまでは固い表情のAさんでしたが、結果は…。嬉しいことに、症状もほとんど出ずちゃんと行けました（！）。実は症状はほんの少し出かかったのですが、すぐに対応させていただきました。
お店では何と、2年間のブランクが空いていたにも関わらず、元の職場の方が、「Ａさん！」と笑顔で声をかけてくださいました。今でもちゃんと、Ａさんのお名前を覚えてくださっていたのです。Ａさんは症状のために、休職して結局復職しないまま退職となったため、元の職場に対してはネガティブな記憶が残っていました。でも、Ａさんが当時頑張っていたことは、周りの方がちゃんと知っていてくれたのです。
恥かしそうにしながらもＡさんは、当時お世話になった方々に「お世話になりました。ありがとうございました」と伝えることができました。
出張から戻ってからその日のうちに、Aさんから連絡をいただきました。「今後、就労のために前向きに取り組みたい」という内容でした。
その後、Ａさんは症状が落ち着いてきたため、いよいよ、就労に向けた取り組みが始まりました。今後Ａさんが、苦しみが癒えて、楽な気持ちで働けるようになるために、私も応援したいと考えています。
お読みいただき、誠にありがとうございました。
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