「賃上げ」が魔法の言葉にように、そう、右肩下がりの国の経済や国民生活を立て直してくれるとでも思っているようだ。
そもそも賃金とは、商品やサービスの売価の中から支払われる。
例えば、あなたが、オーダーメイドのかばん屋さんだとして、50万のカバンを作る人としよう。
であれば、
50万の内訳は、経費+利益だ。
では、経費の内訳は?
経費の内訳は、賃金(あなたの取り分)、材料費だ。
あなたの賃金を上げるとなると、必然的に売価が上がるのだ。
【売価を上げないで、賃金を上げるには?】
材料費を下げるか、利益を削るか、商品を小さくあるいは品質を下げる しかない。
1.材料費を下げる・・・・そもそも材料費が上がっているので無理
2.利益を削る・・・・選択肢としてあり
3.商品を小さくする、あるいは品質を下げる・・・選択肢としてあり
2か3しか選択肢はないのだ。
3は俗に言うステルス値上げ
2はあなた自身や企業の利益が減るので、先々投資もできないし企業成長は見込めない
選択肢としては、必然的に売価を上げるが、選ばれやすい
【売価が上がると?】
売価が上がると、消費税額が上がる。
消費税は、利益がなくても倒産しても収める税金。
ここにきてさらにインボイス制度がある。
事業規模として、消費税を収めるのがツライ所も収める税金になる。
となると、企業自体の手取りが減る。
(消費税がいまだ間接税とか、益税だと言う無知識の人は読まないで欲しい)
そう、結論として、賃金アップは、
・税収が上がる
・国民の手取りは下がる
・一部の事業所が閉鎖される
という、政府だけが得するという仕組みだ。
本来、賃金アップと言うものは、企業成長の中で行われる。
企業の売上や利益が上がった時に還元されるものだ。
日本が30年賃金据え置きなのは、単に企業成長していないからで、それを無理やり成長ホルモン注射みたいなことをすると、弊害が出る。