あさの あつこ
透明な旅路と

 と……っても大好きな作家さん、あさのあつこさん初の「モダン・ミステリー」と銘打たれたこの本。

 

 行きずりの女性を殺してしまった男が、雨の中、車で逃げる最中に幼い女の子を連れた少年に出会う。

 車に乗せていってくれ、と頼まれるが、行き先はもうずっと帰っていない故郷の方で――。


 という、出だしなのですが、この少年が不思議存在で、でもちょっと小生意気な感じですごくいい。

 主人公の、少年と幼子への関わり方が少しずつ変わって行く様子もいい。

 これ、「モダン・ミステリー」ってあるけど、むしろ「ホラー」「ファンタジー」っぽい気がしたなぁ。

 ミステリーとして読むと、不思議度が高すぎるような気がする。


 でもラスト、本当に良かったー。

松村 栄子
雨にもまけず粗茶一服

 弱小茶道家元・友衛家の跡取り、友衛遊馬・18歳。

 今どき茶道なんかしてたって……みたいな感じで、後を継ぐのを嫌がって家出しちゃいます。

 でも、事情により京都に行ってしまうことに。

 京都は、友衛家の流派の宗家がある所。いわば鬼門。

 素性も名前も隠して京都で過ごす遊馬だけど、どうしても周りには『お茶』がついてまわって――。


 という、遊馬くんの成長物語。

 すっごい面白かった。

 髪を青く染めようがなにしようが、うっかり出ちゃう育ちの良さ。身についたお茶の作法。

 くぅっ! って感じなんです。


 最後の決着の付け方も良かったなぁ。

 物語の最初の頃は、まだまだへタレっぽい遊馬くんだったけど、なんか清々しいというかオトコマエというか。


 初読は時間に追われてざーっと読んじゃったから、また読み直そうかな。

 

川島 誠
NR(ノーリターン)

 初めて川島誠さんの本を読みました。

 主人公は記憶喪失で、すごい素質を持ったランナーらしくて、科学の天才――らしいという帯の紹介文を読んで、なんとなく気になって手に取りました。


 すごく勢いがあって、一気読み。

 トータルで言うと面白かった。

 主人公の性格になかなかついて行けなかった私ですが、でもラスト付近の一文でハッとさせられたし。

 やっぱ終わりよければ、って感じかな。


 ただ、ちょっと物足りなかったかなー。

 設定にもついて行けない部分があったりとか。

 だけど、主人公の年下の「叔母さん」が良かったな。

 

 でも、たった一文でハッとさせられるの、とても好き。

 それだけで、いい本読んだわ、という気分になります。

 まぁ、そんな感じでトータル面白かったかなと。

 


水原 秀策
サウスポー・キラー

そして、昨日今日で『サウスポー・キラー』(水原秀策:著)という本を読みました。
 面白かったー。
 第3回「このミステリーがすごい!」大賞というのを受賞されてるこの作品。
 旧体質の抜けない球団の、頭脳派ピッチャーが脅迫事件に巻き込まれて……って話なのですが、ミステリーが苦手な私には読みやすい感じの本でした。
 多分、ミステリーファンとかには少しありきたりな話に思えるのかもですが。
 苦手な私ですら、わりと最初の方から「……こいつアヤシイ」って思える人物がいたり。
 でも、話の進め方とか面白くて、先が気になってどんどん読めちゃいました。
 それに、けっこういいキャラ多かったし。

 でも物語のラストのページの次ページに、「この作品フィクションです。実在する人物・団体等とは一切関係ありません」という、お決まりの文句が載ってて、ちょっとここで一笑い。
 
 いやいやいや、あの団体とかあの人とかあの人がモデルだったりベースだったりするよね、みたいな。
 
 だけどこの作品、賞に応募されたときは『スロウ・カーヴ』というタイトルだったそうですが、これは『サウスポー・キラー』のほうが絶対手にとられやすい気がする。
 実際、私もタイトルに惹かれた部分あるし。
 タイトルって、やっぱ結構大切なんだな。



山田 真哉
さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学

 こんな、普段なら手を出さない新書本を読んでみてます。
 でも、気になったんです。
 さおだけ屋はなぜ潰れないのか。

 だって、さおだけ屋はごくたまに見かけるけど、それを買っている人は見たことない。
 ので、最初の方だけ読んでみておりますが、わかりやすくて面白いです。これ。

 他に、住宅地に高級フランス料理店の謎、とか。
 あるあるある、郊外にポツンとあるフランス料理店。

 会計のことなんてまるっきりわかりませんが、これはボチボチ読めそうです。

 気になっている漫画。
 『愛がなくても喰ってゆけます。』(よしながふみ)
 これ、新聞の書評みたいな欄にも載ってたし、書店で見かけてもちょっと気になっているのですが。
 以前、月9ドラマになった『西洋骨董洋菓子店』の原作者さんの本で、あんだけおいしそうなケーキを描いた人のグルメ漫画なら、どんなおいしそうな料理が出るんだろうと見るたびに手が伸びそうになる一冊。
 ちょっとお値段高めの一冊なので、買いあぐねております……。
よしなが ふみ
愛がなくても喰ってゆけます。
糸井 重里, ほぼ日刊イトイ新聞
オトナ語の謎。


 この本がけっこう面白い。
 オトナの世界の謎めいた言葉が満載です。ただの用語解説というより、どことなく皮肉めいたものが多くて笑えました。
 普段よく使う「オトナ語」の使用例と、裏の真意。
 納得ものでした。
 なんとなく使っているような「お疲れ様です」とか、よく聞くことのある「悪くないですね」・「悪くはないですね」などのオトナ語。
 あと、昔話をオトナ語でアレンジしたら――なんてのも。
 ネタバレはいかんのであまり書けませんが、けっこう笑えました。

 同編集・監修の本で、『言いまつがい』ってのもあり、これも面白かったです。(いろんないい間違いが載っている本。笑える)

 あと、今ぱらぱら捲って笑っているのは 『ヒロシです。』
 この手の本、どこから開いても読めるので楽だなー。

 恩田陸さんの新刊が出ました。
 この間、『第2回本屋大賞』を受賞されてた恩田さん。この方の書く、ミステリー調の話はあまり読めないのですが、ジュヴナイルっぽいのはむちゃくちゃ好きです。
 一番好きなのが、以前ドラマにもなった「ネバーランド」という、男子校の寮のお話。文庫にもなっているので、手に入れやすくなりました(安いってスバラシイ)。

 で、この本屋大賞なるものを受賞した「夜のピクニック」も、「ネバーランド」と同じくらいに良かった。ほんっとうに良かった。
 青春物、と言っていいのかな。
 ちょっと違う気はするけど、でも読後感むちゃくちゃ良かったです。

 いや、そんな話ではなくて、この恩田さんの新刊。
 「蒲公英草紙」というタイトルでした。
 
 よめない。

 ――が? ……こう……えい、そうし……?

 調べたみたら。
 ――たんぽぽそうし、って読むんですね……!
 たんぽぽ。
 漢字あったんだ……。


恩田 陸
蒲公英草紙―常野物語