石田 衣良
眠れぬ真珠

  45歳の女性版画家と、17歳年下の青年との恋愛物語。


 なかば「ファンタジー小説ね」と思いながら読んでました(笑)。だって、女性が年上の17歳差カップルは、そうそう出来上がらないと思うし。


『愛は、経験じゃない。

恋は、若さじゃない。』


 と、帯にありますが、そんな感じの小説。

 でも、年上の女性が年下の男性に惚れられていやーん困っちゃうわ、な小説ではなく、かといって、こんなオバサンじゃ……とグジグジやってるだけの小説でもなかったです。

 そういう部分もあれども、年上の女性としてのリアルな悩みが、しっかりと描かれてます。

 作者が男性であることを忘れそうなほど、リアルに。


 ただ恋愛のことだけが描かれているのでもなく、どう生きるかということまで考えちゃう内容だと思いました。


 しかし、17歳下。

 ……というと、自分が高校生のときに赤ん坊だった人ってことですよね。

 そう考えると、ある意味人生のファンタジーなのかも。

 だけど、絶対にこういう恋愛があり得ないともいえないこの世の中。


 この小説、“あり得なさ加減”と“リアルさ加減”が絶妙な混ざり具合だと思いました。