大飯3号機が稼働し、4号機の稼働作業も進んでいます。
そんな中、先日、次のようなニュースが飛び込んできました。

再稼働の大飯、断層調査へ 志賀原発も 専門家から要望続出 原子力安全・保安院 http://www.47news.jp/47topics/e/232099.php


大飯、志賀原発 活断層なら廃炉の可能性
2012.7.17 22:38 http://sankei.jp.msn.com/science/news/120717/scn12071722390007-n1.htm
 

さて、、、

志賀原発の断層は、今泉俊文東北大教授が「典型的な活断層だ。あきれてものが言えない」とまで言っています。原子力安全保安院は、迅速な再調査はもちろん、予め燃料移動の工程まで作成しておくべきです。

大飯原発に関しては、渡辺満久東洋大教授が6年前から2号機と3号機の間にあるF-6断層が活断層である可能性を指摘しており、先月27日、大飯原発の敷地に実際に入り掘削調査が可能であるか観察されています(参考 http://www.jca.apc.org/mihama/ooi/watanabe_doc20120628.pdf )。そして、この問題に関しては、3日の「地震・津波に関する意見聴取会」で、議題であったにも関わらず、関西電力側が関係資料を紛失したとして、議論が先延ばしにされています。大飯はすでに稼働してはいますが、迅速に詳細を調査し、これも結果如何によっては、停止し、燃料移動させなければならない可能性を踏まえて計画をしておくべきです。なお、すでに、敦賀原発直下の断層も活断層である可能性が高いとされています。(参考 http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/nuclearpower/33433.html )

また、若狭湾地域には、海側、陸側含めて多くの活断層がありますが、吉田兼見の「兼見卿記」や、ルイス・フロイスの「日本史」、敦賀の豪農、柴田家の古文書「柴田一男文書」といった文献や掘削調査によって津波が襲来した可能性も指摘されています。(参考 http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110526-OYT1T01016.htm?from=main1  、  http://mytown.asahi.com/fukui/news.php?k_id=19000141207040001 ) 

しかし、関西電力は、自らも、「昔、大津波で滅んだ村 戦後の一時期入植」というタイトルの記事(参考 http://www1.kepco.co.jp/wakasa/tanpou/tanpou/19.html )を掲載しているにも関わらず、東日本大震災(福島第一原発事故)を受けても、想定津波高さを若干修正し、美浜1.9m、大飯2.9m、高浜2.3mとしたのみで、「日本海には津波の発生の原因となる海溝型のプレート境界がないことから、若狭湾周辺で大きな津波が生じる可能性は低く、文献などからも周辺で津波による大きな被害記録はありません」(参考 http://www1.kepco.co.jp/wakasa/wakasa_topics/tanpou_s_201103_2.html )という完全に矛盾した説明を繰り返しています。

様々な事情があるにせよ、関西電力は、CSR行動規範として、「安全の確保がすべての業務運営の大前提であることを認識し、安全に関する法令やルール等を遵守するとともに、すべての行動において安全確保を優先させます。」(参考 http://www1.kepco.co.jp/corporate/csr/standards.html )としているのならば、これに基づく誠実な対応をすべきです。

(2013/6/16 一部削除)



前回に引き続き、関電が連日大飯原発の稼働出力以上の火力発電所を止めている、という事実について考えます。

これは、関電ホームページ、電気予報http://www.kepco.co.jp/sp/yohou/index.html
内、「供給力に関するお知らせ」をクリックすると、確認できます。関西電力に問い合わせたところ、燃料費の高く、出力調整の容易な石油火力発電所を優先して停止させている、ということで、このお知らせに掲載されている【停止中の主な発電機】のうち、(作業)と記されていないものがこれにあたるとのことです。今日は、赤穂発電所1号機▲60万kW、相生発電所1号機▲38万kW、海南発電所1号機▲45万kWの計3機、143万kWと、最近の中では少なめですが、それでも大飯3号機の出力118万kWを超えています。さらに、怪しげな「主な」という表記や他社電源▲94万kWというものもあります。加えて、今後、予定通り大飯4号機も稼働させる予定であるため、さらに、【停止中の主な発電機】が増える可能性があります。

なお、火力発電所の停止に関しては、定期点検との関連性を指摘している方もいますが、誤った情報です。これも関電に問い合わせたところ、【停止中の主な発電機】のうち、(作業)と記されたものはトラブルにより停止しているもので、定期点検の予定は9月の節電要請期間終了後まで無く、(作業)と書かれていないものについてはすぐに稼働させられる状況にあるとのことです。

ということで、表面上、安全性と需要量の観点から稼働が決まった大飯原発ですが、免震事務棟の建設や活断層調査の未実施を始めとした安全性の問題に加え、需要の観点からも疑問を呈さざるを得ない状況となっています。

様々なツッコミどころがあるこの事実ですが、「産業界に打撃を与え、家庭の快適性を奪う節電要請をしながらも、動かせる発電所を止めている」という矛盾が最大の問題点だと思います。
さて、福島第一原発事故について国会事故調の最終報告が出され、津波だけでなく、地震による事故の可能性が示されました。
また、東洋大学の教授らは大飯原発の敷地内にある断層が活断層である可能性が高いとの発表をしています。
しかし、政府はこれらの批判をかわすかの如く、夏のピーク需要に間に合わせるという名目で、既に大飯の再稼働を決め、送電が開始されています。

しかし、多くの専門家も指摘している
「ピーク時の需要」という名目の怪しさは、益々増しています。

というのも、関電の発表では、6日に大飯原発3号機の稼働率は約50%になったとのこと。しかし、同日、節電の効果により、燃料費の高い火力を6機停止したというのです。

すばり、原発を0.5機分動かした替わりに、原発3機分止めたことになります。これでは余りにも計算が合わないため、これまでも十分電力は足りていたのに、原発を動かすために無駄に火力発電所を動かしたり、節電要請をしたり、計画停電のお知らせを送付していたりした可能性さえ疑われます。

百歩譲って、節電の効果でそれだけ余裕があるとしても、危険性の高い原発こそ動かす必要が無いと言えるでしょう。関電グループCRS行動規範では「安全の確保がすべての業務運営の大前提であることを認識し、安全に関する法令やルール等を遵守するとともに、すべての行動において安全確保を優先させます。」と書いているのですから。免震事務棟もベント装置も未整備な原発が火力発電所より安全だと言うのでしょうか?

ともあれ、一連の動きは、需要量や安全性ではなく、目先の経済性や利権を優先させ、大飯原発を稼働させたことを自ら証明しているようなものです。

メディアも、クラゲが詰まったことばかり放映せず、「コストがかかるから火力を止めている」現状をもっと報じるべきです!

参考記事
http://www.nikkei.com/article/DGXNZO43473460X00C12A7LDA000/

注 7月10日タイトル変更及び一部修正、加筆しました。