みなさんは英語の勉強というとどんなことをしていますか?英単語を覚える、文法の単元の問題を解く、長文を数多く読む、英作文の練習をする、リスニングを何度も聞く、教科書を音読する・・・など、さまざましていると思います。どれも間違いではありませんし、正しい勉強方法の1つです。ここでみなさんに伝えたいことは、上記の勉強を1つやれば成績が上がるというわけではないということです。下記文法問題の例を見てください。よく高校入試で見かける書き換えの問題です。
I have never seen such a beautiful flower.
(私は今までにこんなに美しい花を見たことがありません。)
This is the most beautiful flower that I have ever seen.
(これは私が今までに見たことのある中で最も美しい花です。)
上の英文は現在完了の経験の文で、suchの意味・用法を知っておくことがポイントです。
下の英文は比較で勉強した最上級や関係代名詞thatや現在完了の文が入っています。
It snowed a lot last night.
(昨夜たくさん雪が降りました。)
We had much snow last night.
(昨夜たくさん雪が降りました。)
上の英文はsnowを動詞として使い、代名詞で勉強する天候をあらわすitが使われています。
下の英文はsnowを名詞として使い、不可算名詞を修飾するmuchが出てきています。
上記のように文法単元で見ても、あらゆる単元が複合的に絡まっています。また、suchやsnowなどの単語の知識も整理しておかなくてはなりません。したがって高校入試の英語の問題で点数を伸ばすためには、各分野を満遍なく勉強する必要があるのです。
英語が苦手な生徒ほど「単語を一生懸命覚えなきゃ!」「今回のテストは比較だから比較を覚えよう!」と1つや2つに絞って勉強してしまうことがあります。中学校の定期テストのように範囲が決まったテストならば有効なことはありますが、高校入試の問題を解くとなるとそれでは通用しません。いかの広範囲にわたって勉強するかなのです。
中1で命令文を学習するときには下記の書き換えは出てきません。しかし、助動詞mustを勉強すると命令文との書き換えは頻出問題の1つです。
Don’t go into the classroom.
(教室の中に行ってはいけません。)
You mustn’t go into the classroom.
(あなたは教室の中に行ってはいけません。)
命令文のあとにandやorが来るパターンも中2以降では勉強しますが、接続詞ifとの書き換えは命令文の単元ではなかなかでてきません。
Get up early, or you will be late for school.
(早く起きなさい、さもないとあなたは学校に遅刻します。)
If you don’t get up early, you will be late for school.
(もしあなたが早く起きないならば、あなたは学校に遅刻します。)
もうおわかりですよね。1つの単元をその問題集や参考書で覚えたとしても、そこには掲載されていない問題がでるのです。これは問題集や参考書が悪いのではありません。勉強しやすいように作るという配慮なのです。命令文で上記のような書き換えが出てこなくても、助動詞や接続詞の単元を勉強すれば上記のような問題はいずれ必ず出てきます。だから1つに絞った勉強をするのではなく、幅広く勉強することが大切なのです。
このように考えていくと英語という科目はバランスで釣り合っている科目と言えます。1つの単元は他の単元とも絡み合っていますし、その単元は長文読解中にも必ずと言っていいほど入っています。語彙力も同様に文法問題の中にも長文にも入っています。「単語だけを覚える」「長文だけをたくさんやる」ではなく、バランスよく幅広く勉強することで成績のボトムアップを目指しましょう!