フランスへ行くのに全くフランス語が喋れないというのはやっぱりちょっとマズイだろう。 行く前にちょこっとかじっておきたい。 あの当時、私は地方に住んでいて、なかなかフランス語を習える所が無かった。 やっと見つけた先生はかなりの年配で、授業は自分の思い出話にどんどん逸れていった。 月1万円払って、年寄りの機嫌をとってるようなもんだ。 何度も何度も同じ話を繰り返し、ボケ始めたのかと不安になった。 かなりイケナイ。 私は趣味でフランス語を習ってるんじゃなく、必要に迫られているのだ。 と焦っていると、別の所でベルギー人が月5千円で教えていた。 最初っからここへ来れば良かった。 おまけにカッコイイ先生だ。若ハゲがお気の毒だったけど。
中学、高校と英語の授業は捨てていた私でも、数え切れないほどの外来語は知っていたし、カタカナ英語はどこにでもあふれている。 でも、フランス語は違う。ウイ、ノン、メルシー、ボンジュールぐらいしか知らない。 全く0からだ。 アルファベットも発音できない。 おじいちゃん先生はカセットを貸してくれたので、これをダビングして毎日聞いた。 これは良い方法だと思い、その後カセット付き会話セットを5万も出して買ってしまうのだが、これはいらなかった。 焦ると、ムダ金を使ってしまうもんだ。 ほとんど、独学だったが不思議と不安は無かった。 フランスで暮らせばいやでも話すようになると思っていた。 これは、とんでもない考えのようで、実は正解だったとずっと後になってわかった。確かに行くだけでは話せるようにはならない、しかし行かねばどうあっても話せんのじゃ。
行く前に私が買った本は、ル・ディ-コという辞書(今でも愛用)、和仏辞典2冊(もいらなかった)、フランス留学という各地の学校を紹介した本、パリでの生活を説明した本、フランス語の参考書数冊、手の平サイズの小さな辞書、こんなもんだ。私にぴったりと思って買った初級辞典というのはへのつっぱりにもならなかった。フランスで辞書を引くという作業をいやというほど繰り返すのだが、折角引いてもその単語が載ってないとわかった時、得体の知れない虚脱感が湧いてくる。その点、最近はみんな電子辞典を持って来るよねぇ。私もアレ欲しかった・・・・
フランス語の勉強もぽつぽつしながら、問題はフランスのどこへいくかだ。 どこの学校がいいのかもさっぱりわからない。 とりあえず、日本に居る間に情報を、集めなくちゃ。 今ほど個人留学が盛んでもなかったし、雲をつかむような話だ。 で、おじいちゃん先生に聞いていた、とある団体へ行ってみた。(なんだかんだ言いながら、おじいちゃん先生には結構世話になってたんだ。) 東京の飯田橋にある。 留学の斡旋や資格試験なんかもやってたと思う。 何千円か払って、相談しに行った。 今から思うとバカみたいな話だ。行けば、そこから留学を斡旋してもらうんだから、言ってみればこっちは客だ。 話を聞くだけでお金払うなんて今でもそんなおいしい商売してるんだろうか?今ならインターネットでいくらでも情報は手に入るし、旅行会社でも安く行ける方法は見付かるだろう。 ただ、当時は他に方法が思い付かなかった。 そこにいたフランス語が喋れる30過ぎの女というのが、これまた嫌味な女だった。 こういう仕事が出来ますと突っ張った女はパリを拠点にして、フランスにはゴマンといる。