長男よ。

お父さんが大きな公園で「じゅんばんこ」としょうがなく言うのは、きちんと順番を守ってほしいだけじゃない。

確かに、お前の前にいる小学生は横入りした。お前がまだ小さいのをいいことに、小さくできたスペースに入ってきた。さぞかしお前は「なんでこの子は「じゅんばんこ」を守らないのだろう」と思ったことだろう。

お父さんはお前に「そういうことはもう、しょうがないんだ」と、余裕を持てる人間になって欲しいんだ。もう、そういう奴はそういう人間にしかならないんだ。

実はお父さんはちょうどさっき、電車のホームで横入りをされた。お父さんより年上のおじさんにだ。お父さんもお前と同じように「なんでこいつは「じゅんばんこ」を守らないのだろう」と思っている。大人なりに腹わたは煮えくりかえっているよ。

でもしょうがないんだ。すべてはそのおじさんが悪い。でも、どうやったって咎められないんだ。

ただよーく見てみると、そのおじさんは自分より汚い格好をしているし、お父さんから見ても気持ち悪い人だ。

なぁ、長男よ。こんな大人になりたいか??

まだお前は3歳になったばかりだし、自我がコントロールできないことも多いだろう。でもお父さんはきっとこれからも「じゅんばんこ」と言うと思うよ。

大丈夫。「しょうがないんだ」と思える頃には、きっとお前はこのおじさんよりステキな人生を送ってるはずだから。