公共事業は、税を費やして行われる。
だから、事前に事業の実施については、市民の賛成があると盛り上がる。
同意を得るためには事業の内容を説明し、事業の実施に必要な税の見込み支出額を提示し、適否を問う。
「その事業で、そんなことが出来るのか。或いは、そんなものができるのか。で、それには、これくらいかかるのか。・・・まぁ、それならいいんじゃないか」
という具合に、市民が同意すればしめたものである。
大阪に万博をと主張し、その通り開催できるようになり、それは既存政党でない新しい政党の推す市長や知事の功績だと、その新しい政党は主張した。主催者である公益財団法人2025日本国際博覧会協会は、万博の支出見込み額として、1,250億円を提示した。
2018年12月のことだ。
事業の開始前に予め算じたものである以上、その通りに行かないこともある。見込みがある程度ぶれるのは仕方ない。
だが、当初の見込みが1,250億円であったものが2年後に1,850億円になり、更に3年後に2,350億円になるのは、ある程度の範囲を超えている。
こんな言い分ををビジネスにおいてすれば、詐欺で訴えられたり、契約を破棄されて損害賠償を請求される。
事務総長は、スポンサーである国と大阪府市、財界には、予算増額の根拠を概説したが、大阪府市民とその他の国民に向けては、何も発していない。
スポンサーには説明をするのは当然だが、国家に税を支払い、その使途を委ねた市民には説明する義務はないので、興味があれば報道などで知って下さい、という態度だ。
またしても。いつも通り。木で鼻を括る。
誘致に当たり、賛成の民意が形成されていることを示し、無事に誘致できたのだから、見込み額もほんまもんに差替えるし、事前に切符は売るから、もう賛成してもらわなくても結構、なのだろう。
奥歯が軋む。
だから。
先日、公益財団法人2025日本国際博覧会協会のウェブサイトにある問い合わせフォームに、質問を投じたので、ここに載せることにした。問い合わせフォームは、意図的に、同ウェブサイトの最下段にひっそりとあった。
目と気が向きましたら、どうぞこの先にお進みください。
冠省。
近頃、万博の開催が危ぶまれる報道がいたるところで行われております。しかるに、貴会におかれましては、これらの報道に対応する説明や情報発信が十分になされているとは、私には思えません。
例えば、貴会のウェブサイトにおかれましては、工事の進捗状況、参加国の申込み状況などについての説明は、どこにもなされておりません。唯一、「契約情報」のみ存しますが、進捗を示す資料ではございません。
質問をいたします。報道により万博開催に不安を覚える国民のために、報道に応え説明する道義的責任は、貴会には無いのでしょうか。或いは、既に説明済みであれば、その資料をご提示ください。
本日、試みに生成AIによる検索をしましたが、二度目の万博開催予算増額についての、貴会が国民に向けて行った発表や説明は見つかりませんでした。唯一、貴会会長が、経団連会長として行われた際のスピーチにおいて、簡単な説明がなされたのみです。万博開催の予算の三分の一を負担する国民、更にもう三分の一を負担する大阪府市民に対する増額理由や増額の内訳の説明などの働きかけは、まったく見当たりませんでした。
二つ目の質問です。開催費用を負担する資本家、或いはスポンサーたる国民に、明瞭な説明をする道義的責任は、貴会には無いのでしょうか。お答えください。或いは、既に説明済みであれば、その資料をご提示ください。
ところで、現在、技術の進歩により、インターネットの視聴サイトを通じて個人や団体が自ら主体的に情報を発信できるようになりました。その結果、国民の情報源はマスメディアによるものに限定されず、大きく広がったことは、公式視聴サイトを設けられている貴会も、十分ご承知のことと存じます。
そういった視聴サイトでの発信を行う個人や団体の中には、様々な「報道」を、独自の視点でされておられる方も多く存在します。最近では、「一月万冊」という視聴サイトを運営する団体に属する個人記者の質問が、おぞましくも夥しい性加害を行った者が起業した法人の(当初は変更しないと主張していた)その社名変更を結果するという、既存のマスメディアが有するそれよりも、すぐれて国際標準的な常識に基づく、報道による実績が形成されました。
謂わば、マスメディアではない個人記者の優れた質問が、民度の低かった加害法人をして、国際標準に叶う行動をさせたものと思料致します。
ことほどさように、最早、視聴サイトを通じた個人記者による報道の中には、その品質において、マスメディアの報道に比肩し、或いはそれを凌駕するものが多く存在します。
そこで第三の質問です。すぐれた報道をする無所属の個人記者が多く存する現代において、記者クラブに属する記者にのみに記者会見の事前案内をするという、国民の知る権利にとっての不利益(情報源の制限)を敢えて行う理由をお聞かせ下さい。
さらに最後の質問です。凡そ記者会見においては、事前の個人情報と誓約書の提出、入場前の身体検査、会場内での警備員の配置などによる、秩序維持、会見の品質保証は、会見開催者側に課せられた任であることは言を待ちません。
今後の記者会見においては、かかる体制を築かれた上で、何らの制限や条件を付すことなく、参加を求める者が当然に等しく参加でき、等しく質問の機会を与えられるよう態度を変更され、行動されることは可能でしょうか。お答えください。
この回答に際しましては、業界団体に無所属の個人記者の社会的信用の不透明さなどという詭弁や、会見進行における秩序維持などという狡猾な論点のすり替えを、あたかも指名NGリストを作成した某法人の浅薄な言動のごとく駆使されませぬよう、老婆心ながら申し添え致します。
末筆ながら、いたらぬ文章を読了くださいましたことに感謝申し上げ、心あるご回答をお待ち申し上げます。
草々