今期二期目のその法人は、とにかく突っ走っている。少ないスタッフで音楽プロダクションを営んでいる。社長は三十代半ばだが、社員も他のエンジニアやミュージシャンも二十代ばかりである。出入りの所属歌手や歌手志望の方たちに至っては、十代が多い。
何時訪れても、おっさんの僕一人が、あたりから浮きまくっている。

担当者がいないので記帳代行と人事労務を持引き受け、今、決算と申告代理をしている。ようやく先が見えてきたが、期限も間近に見えている。
個人経営の時を含めて数年間の間に、若さゆえに色々と失敗もされているが、明るく前を向いておられる。

所属する歌手、なすお☆さんが、去年の夏にプロモーション映像を作成した。
この映像と録音は、一般のPV同様、それぞれ別に撮り、録ったものを重ねているが、撮影機材も含めて全て自前である。社長はDJが元々の本職だが、写真も録るし録音のエンジニアでもある。

いつもは僕と社長が領収証や請求書その他の証憑を積み上げて打ち合わせをする場所、自社スタジオのヴォーカル用録音ブースの隣で、この動画は紡がれています。
Mr.Children のGift を、独自の解釈でカヴァーされています。お聴きください。


過日、このなすお☆さんの伴奏を打診されたことがあった。
その際、僕は、「いや、弾きますけど、みばがネックでしょ。いいんですか?」と尋ねたら、全く通じなかった。ミバって一体・・・。あと、ネック、ですか?という彼女の反応だった。
僕は、「みば」が、「見栄え」のことだと言い、「ネック」は文字通り「首」で、弱点の意味だと説明し、それから、こんなおっさんでは、かえってマイナス効果になるのではないかと、大阪弁で言い直した。

言い直したら、ちょっと悲しくなった。若いっていいな、としんみり思った。