13ヶ月ぶりに熊野古道歩き再開です(^^;
今回歩いたのは長期Stay homeのリハビリも兼ねて、JR賀田駅から二木島駅までの10km足らずですが、標高310mの甫母峠を越える“曽根次郎坂・太郎坂”と呼ばれる急坂の街道は、ほぼ全面に石畳が葺かれており、なかなか歩き応えのあるルートでした。
賀田の駅にクルマを停めて、ここから歩き始めます。
しばらくは“曽根浦”と呼ばれる入江に沿って歩きます
戦国時代の領主:曽根氏の屋敷跡です。 西側の裏山には詰め城の曽根城址もあります。
室町~戦国期のこの地は海賊・盗賊が蔓延る治安の悪い土地で、巡礼者も難渋した様です。
住民の要請に応えた幕府は、近江六角氏の一族の佐々木正吉を派遣して、近郷の浦々を統治させ、正吉はこの曽根に館を構えて“曽根氏”を名乗りました。
ですから、武田家臣の曽根氏とは無関係な様ですね。
次郎坂・太郎坂の謂われですが、曽根氏の兄弟の名前が由来…ではなく、曽根氏の領地が甫母峠の尾根までで、その向こうは新宮の堀内氏が治めていた様です。
その為曽根家中では、峠までの坂を自領坂、峠の向こうを他領坂と呼んでいました。
後年、この呼び名が一般に使われる過程で、次郎坂・太郎坂に変化した…と、案内看板に書いてありました。
さて、いよいよ登りの峠道になります。
最初は古い墓地の中を階段で通り抜けて行きます。
振り返って見る曽根浦 綺麗な新緑のパッチワークです。
墓地を抜けると、本格的な石畳の古道になります。
紀伊半島の山々は洩れなくそうですが、この山(甫母山?)も花崗岩ゴロゴロの岩山で、材料がふんだんに有る事から、街道は石畳になっています。
石畳の道は、登りはとても楽なのですが、下りは逆にとても厄介です。
急な下りになると階段状態になっていて、石の大きさは不規則ですから、足の降ろし所に細心の注意が必要で、とても疲れます(*_*;
江戸時代初期、紀州藩領のこの山からは石材が伐り出され、江戸に運ばれて江戸城築城に供されたそうです。
江戸城本丸の中之門のあの巨大な石組みは、ここ曽根の石材を使っている事が、普請した細川藩の文書に記されているそうです。
猪垣が現れて来ました。 今も昔も、イノシシには困ったものです…。
路傍には矢穴の有る大石も沢山あります。 石切り場でもあった様ですね。
江戸城本丸中之門の櫓台の石組 この石が三重県産だったとは、思いも依らなかった(^^;
峠道の全てが世界遺産になっており、最も熊野古道らしい峠道かも知れません。
路傍には巡礼者の供養碑が多いのも、難所ゆえでしょうか。
怪我や病気で行き倒れる他に、盗賊による殺害や獣害(主にオオカミ)も多かった様です。
息絶えた巡礼者は地元の人達によって懇ろに葬られ、国許への連絡の他に初七日法要まで行なわれ、供養碑が建てられたそうです。
費用の全ては地元負担で、主に宿賃の利益が充てられたのでしょうね。
“持ちつ持たれつ”は巡礼街道の暗黙のルールだったのかも知れません。
ちなみに、殉難者の地元への連絡(手紙)代ですが、江戸時代なら現在の二千円ほどで届いた様です。
幾つか有った巡礼者供養碑 この人は武州足立郡中野田村(現:さいたま市緑区)の人で、文政13年(1830)4月にここで斃れました。
奇岩:鯨石 シロナガスクジラの頭部か? 道程の目印になったモノですね。
峠が近付くと道も急坂になり、石段に変わります 辛さも風情に替えて旅を楽しんだ様ですね(^^;
甫母峠に到着しました。
峠の茶屋跡 現在は地蔵様が祀られています
《後半》につづく
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4月7日の水曜日、散歩がてら近場の“東海道関宿”へ行って見ました。
この日は秋の『街道まつり』でもないのに、なぜか物凄い人出です。 こりゃ完全に密だな!
通報があったのか警察官が多数出動しています。 速やかな帰宅を促されるのかな?
おや?クルマの間にゆっくり走って来る集団が居ます …何なの?
クルマの後ろに あっ、聖火ランナーだ! 通り過ぎて初め気付きました(嘘ですが…)。
人生最後にナマで観る聖火は、あっと言う間に通り過ぎて行きました(^^;
長引くコロナ禍に、ワクチン接種も遅れに遅れている昨今、“森降ろし”に成功したメディアの報道では“国民の7割が開催反対”とまで言われていました。
*関宿に集まった観衆を見ると、とてもそうは思えませんが…。
ネット上にも“なんでも反対派”による『オリンピックやめろ!』コメントが溢れていましたが、そんな後ろ向きな風潮を一変させたのが、池江璃花子さんの代表内定でした。
練習環境が充分でない選手達の何十倍ものハンデに打ち勝った姿は、コロナ禍に怯える多くの人達に、『何にも負けない、諦めない…大きな感動』を与えてくれました。
あれ以来“和製五毛”達も沈黙しましたね。
菅総理も橋本会長も丸山大臣も到底できない事をやってくれた、凄い娘です(^^♪
伝染病に経済の低迷と安保不安…しばらく正念場の日本。
何とかオリンピックを成功させて、多くの感動で勇気付けて欲しいものですね。