熊野古道歩き、11月は三瀬谷から阿曽まで13kmを歩きました。
今回はその前半の瀧原宮までの道のりです。


現在の熊野街道(R42)は宮川を渡ると支流の大内山川沿いに一気に南下しますが、熊野古道は対岸に渡ると東に大きく迂回(県道474)して、わざわざ三瀬坂峠を越えてから国道に合流しています。
地図上で見ると“無駄な遠回り”りにしか見えないのですが、その理由は、古来の熊野古道は定峠を越えて下三瀬に入ると、渡し船で宮川を渡って、三瀬坂峠を越えていました。
つまり、三瀬谷まで行って舟木橋を渡り、元の渡し場まで戻るルートは厳密には熊野古道ではなく、渡し船が無くなった故の代替ルートなんです。






三瀬坂峠は前方の山の向こう側です。
舟木橋を渡って、宮川右岸の県道を三瀬坂峠の入り口目指して歩いて行きます。
この道も宮川に沿って伊勢につながる道ですから、流域の生活圏を支える主要道路で立派な道なのですが、過疎の波で廃屋や耕作放棄地が目立ちますね。





三瀬川集落に入ると、左手に“多岐原神社”へと降りていく道が有ります。
多岐原神社は瀧原神宮と同時に置かれた“皇大神宮摂社”で、その先に“三瀬の渡し跡”もあるので、寄り道して行きます。

県道から左に折れて、河原方向へ降りて行く多岐原神社参道





三瀬の渡し跡です 僅か50mほどの川幅ですが…

県道に戻って、次は熊野古道歩きで2箇所目の峠『三瀬坂峠』の踏破です。
この峠は比高差200m、行程2km余りの比較的軽い峠道ですが、此処も8月の台風でひどく荒れていて、足元は要注意でした。
それでも、杉の林間ルートは木の手入れも行き届いていて、地域の産業としての林業はまだ健在な様です。







簡単に登れた三瀬坂峠ですが、昔はかなりな難所だった様で、行き倒れる人も多くて、峠の両側の中腹に茶屋が設けられ、旅人達は休みながら登ったそうです。






出て来たのは瀧原里地内で、ここから瀧原宮までの熊野古道は、平坦地の民家を縫う様に旧街道らしい長閑な道が続いています。






その8 瀧原~阿曽 につづく