熊野古道歩き、2日目の後半です。
最初の峠越えとなる女鬼峠を越えて宮川沿いに出て、栃原まで歩きます。
 
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女鬼峠を登って行きます。 岩盤が剥き出しの部分には荷車の轍が残っています。巡礼だけでなく、産業の動脈だったんでしょうか?
 
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荷車にはちょっとキツイ斜度ですね
 
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ツズラ折れになって、どんどん登って行きますが、いつもの山城の登城路ほどには厳しくありません
 
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そろそろ大手の虎口が現れそうな感じですが…
 
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現れたのは峠の茶屋の跡でした(^-^; この先が切通しになり、道は下りに転じます。
 
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岩盤を掘削した所と石積みが交互にある切通しの様ですね
 
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鎌倉の名越切通しを思い出します
 
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石垣は野面乱積みの腰巻石垣です …病気かな?(^-^;
 
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切通しの上にある展望台から見る、この先の宮川沿いの谷間
 
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この如意輪観音像にむかって“南無阿弥陀仏”と唱えると、すべての罪が許されるんだそうです …って事は、刑事がここで張ってれば、指名手配犯が現れるかも知れませんね(^-^;
 
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下り道は杉木立の中をゆっくりと下って行きます。
 
 
 ところで、伊勢神宮から熊野街道を辿って行くのに、地形図を見ると宮川をそのまま遡れば、峠を越えること無く歩ける事に気付きます。
なぜわざわざ田丸へ向かって女鬼峠を越えたのか…不思議ですね。
 
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 戦国時代、北畠氏治世の中で宮川中流のこの地域(現度会町)は大崎玄蕃守(頭?)という豪族が支配していた記録があります。
大崎玄蕃…といえば、武田勝頼が土佐に逃れた…とされる伝説があり、勝頼が土佐で名乗ったとされる名前と同名ですが、もちろん別人でしょう。
 
 南伊勢の大崎玄蕃はたぶん北畠氏の配下に違いありませんが、家臣団名簿にその名前が出て来ないのも不思議です。
おそらく、商業的観点から旅人に田丸を経由させる政策があったのではないかな?
 
 
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人里に降りて来ました。遠くに庄屋さんの屋敷が見えます…
ではなくて、近年にOPENした高級和食レストラン『鄙茅』です。ランチコース2万円、ひぇ~! 桁が違います(*_*)
 
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広い道に出ると相鹿瀬の集落 伊勢からの道と合流し西へ向かいます。
 
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『右 くまの道』めぎこちゃんの案内看板でした。
 
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ドライブインや道の駅がない街道なので、貴重かつ重要。 あっ、男子用もありますから。
 
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ポツポツ在るお地蔵さんの中でも、ひときわ大きかった石仏 江戸初期の作の様で、巡礼の旅人が足を止めては無事の到着を祈念した事でしょうね。
 
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やっと姿を現した宮川 せせらぎの音とともに涼風を運んできます。
ここまで来ると峠の緊張も解けホッとした事でしょう。
 
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街道脇にある浄保法師五輪塔 法師は伝染病に苦しむ村人を救う為に、即身仏になった人だそうです
 
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明治時代の寺子屋の建物が保存されていました
 
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沿道に桑の木が多いな…と思ったら、養蚕が盛んだった様で、立派な蚕室造りの古民家がありました。しかしもう崩壊寸前(*_*;
 
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大台町の柳原に入ると民家も増え、少し賑やかになってきます
 
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立派な造り酒屋がありましたが、この日は日曜日、見学も試飲もできません
 
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道端に野イチゴが熟していたので、ここでちょっと休憩(^^)
 
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道の反対側には“お滝さん”という清水が落ちる谷がありました。
 
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水量は僅かですが水は冷たく、涼場になっていました。此処も昔から、旅人が一息入れる場所だった様ですね。
 
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宮川の支流“濁川”に架かる橋を渡ると…
 
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この日の終点 栃原の集落です。
 
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栃原からは一面に茶畑が広がっています
 
 茶畑が多く、地域の特産品とも言える伊勢茶。
作付け面積、生産量ともになんと全国3位なんだそうです。
 しかし、宇治、静岡、狭山などの銘柄にくらべ知名度は低い様ですね。
これは戦後の“独自ブランド化”への取り組みが甘かったのが原因で、長年宇治茶や静岡茶のブレンド用としての役割に甘んじて来ました。
しかし、近年の努力で“玉露”や“かぶせ茶”などの高級品ではシェア1位なんだそうです。
 また、お菓子やアイスクリームに混ぜる原料としての茶は82%ものシェアを誇ります。
皆さんもたまに抹茶ソフトクリームを食べると思いますが、その殆どには伊勢茶が入っているのです(^-^;
 
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栃原の街道沿いには、荒茶を製造する“お茶屋さん”が建ち並んでいました
 
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集落の真ん中を国道42号線が横断しています。 やっと熊野に向かう幹線道路(現在の)に出ました。
 
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今朝クルマを停めた栃原駅に戻って来ました。本日の終点です。
 
次回は7月吉日、栃原~三瀬谷(15km)の予定です
 
 
つづく
 
 
もう、これだけ歩きました!!
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