2018年5月26日
 
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 今年の初詣でに熊野速玉大社を訪れた際に、密かに期した(公言しましたが)熊野古道の踏破作戦を始めました。
 
 
 熊野は神武東征の際に上陸した地点で、記録のある日本史が始まった場所ですから、後世には“聖地”とされて信仰の対象となり、貴賤を問わず“熊野詣”が盛んに行なわれました。
 紀伊山地の深い山々に隔てられた熊野は陸の孤島で、畿内の要地からは峠越えの参詣道が整備されました。
 
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当面の目的地となるのは新宮市の熊野速玉大社
 
 古代から中世にかけては、天皇・公家から庶民にいたるまで、「蟻の熊野詣」と言われるほど多くの人々が切れ目なく熊野に向かったと伝わりますが、近年、熊野三山と呼ばれる熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の三社とこれら参詣道の古道は紀伊山地の霊場と参詣道としてユネスコの世界遺産に指定されました。
 それを機に、現在もその道を信仰だけでなく観光や健康づくりのレジャーを兼ねて歩く人が多くなっています
 
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熊野古道全体図(新宮市観光HPより借用)
 
 
 一括りに“熊野古道”と言っても、その出発点と目的地の違いで幾つかのルートがあります。
 ・紀伊路(渡辺津 田辺)
 ・小辺路(高野山 ~ 熊野三山、約70km
 ・中辺路田辺 ~ 熊野三山)
 ・大辺路(田辺 ~ 串本 熊野三山、約120km
 ・伊勢路(伊勢神宮 熊野三山、約170km
 ・大峯奥駈道 (吉野 熊野三山
の6ルートが主な参詣道ですが、伊勢国に住む私が歩くのは当然ながら“伊勢路”です。
170km… はぁ~(^-^;
 
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クルマで何度も走ってるので、殆ど平地のない山坂道の連続で、途方もない距離感なのが解ります これは正気のSaturday nightか!?
 
 この伊勢路は、要人・貴人が使った畿内からのルートと違い、伊勢神宮へ詣でた庶民が熊野三山へと脚を延ばすための道で、東海道中膝栗毛でも「伊勢へ七度、熊野へ三度」ある様に庶民の信仰の路でした。
 世界遺産に登録されている区間は170kmのうち峠道を中心に断続的に計32.9kmだけですが、どうせ歩くなら古人に倣って全部歩きましょう(^^♪
しかし、170kmの一括支払いは難しいので、月賦のリボ払いという事で(^-^;
 
まずはスタート地点の伊勢神宮へGO!
 
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一気に宇治橋前へワープ!!
 
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五十鈴川を渡って心を清め…
 
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百円で道中の安全を天照大御神にお願いすると…
 
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いよいよお祓い町からスタートです!
 
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 初日は伊勢神宮の門前町を内宮から外宮へ 街道でも最初で最後の賑やかなエリアを進んで行きます。
 伊勢神宮は3~40年前に比べると、ずいぶん人が集まる様になり、毎日が“初詣で”の賑わい…ですね。
 
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集客の起爆剤になった(…気がする)おかげ横丁
 
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名物『赤福本店』もかつての賑わいが戻っています。よかったね(^^)
関東へ行く時に『赤福』を手土産にすると、たいそう喜んで貰えます。
 
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繁華街を抜けて、静けさが少し戻ってくると御師邸街。
“御師”とは、下級神官ながらお伊勢参りの旅行代理店+旅館業みたいな事をしてた人で、邸宅兼旅館の豪邸を構え、ずいぶん羽振りが良かったそうです。
伊勢だけで千人の御師が居て、千軒の旅館が有ったと言われます。
 
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猿田彦神社まで来ると、人通りももうまばら。 今回は参拝はパスします。
 
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御木本道路から右折し、旧街道に戻るとすぐにある惣門跡 ここまでが神域だった訳ですね
 
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旧街道は少し急な登り坂になり、台地上へと登って行きます 
 
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坂を登り詰めると巨大な常夜灯が2基並んで建っています
 
 
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伊勢市は近年でも水害の多い場所ですから、昔の平地は湿地帯だったのかも知れません
 
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台地上は閑静な住宅街になり、高速道路を跨ぐところには神宮風?のモニュメント
滋賀の坂本城址にもこんなの有ったなぁ
 
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長峰神社の先は古市地区に入ります
 
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神域から少し離れた“古市”は、集まった参拝客が信仰の制約を離れて息抜きできる場所だった様です
 
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備前屋は和菓子屋ではなく、遊郭だった様ですね 夜更けに御師邸に戻るにはデカイ常夜灯が要る訳だ(^-^;
 
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街道沿いの民家の車庫を失礼してパチリ。 住民も遊び心がありますね(^-^;
 
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台地を下って行くと小田橋があり、伊勢市街の中心部へ入って行きます
 
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外宮らしき杜が見えてきました
 
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伊勢神宮外宮正面 
 
次回は外宮参拝以降の初日後半を載せます。
*実際には伊勢神宮参拝の作法に則って、外宮を先に参拝しています。
 
 
その2につづく