関東の城探訪  埼玉県  滝の城            登城日 2012.12.08
 
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所在地      埼玉県所沢市 城
城郭構造    平城
通称        本郷城
築城年      平安末期
築城主       ?
主な改修者     ?
主な城主     大石氏、北条氏照(城代)
廃城年        1519年
遺構          土塁、空堀
文化財指定    埼玉県指定史跡
 
 近場の城めぐりで、所沢の滝の城(たきのじょう)に行ってきました。
 
 この城は戦国初期、関東管領:上杉氏の臣で武蔵守護代の大石氏が居城:滝山城(八王子)の支城として使っていました。
 後に大石氏には北条氏照が養子に入って“乗っ取る”形になりますが、氏照の支配下では北関東遠征の際の軍勢の集結場所として、重要な拠点だった様です。
 
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主郭の土塁はよく整備されてます
  
 
 1590年、関東に豊臣軍が攻め入ると、滝の城には浅野長政軍が攻め寄せ、あえなく落城し、廃城となりました。
 構造は柳瀬川の北岸を利用した“崖端城”で、現在、外郭部分耕地化されていますが、本郭跡に城山神社が祀られていて、それを中心とした主郭部はよく遺されています。
 大正時代には市の史跡に指定され、近年は城下の河川敷に運動公園が整備され、『滝の城址公園』になっています。
 
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 滝の城は関越道“所沢IC”のすぐ近くで、R463の南を並走する県道に公園入口があります。
私はそれを知らずに直接城址を目指したので、狭い道に難渋しましたが、二ノ郭に停める事ができました。
 
 この城、主郭部分は小規模ですが、本郭・二ノ郭・三ノ郭と土塁、空堀が見事に形になっています。
半分くらいは復元かも知れませんが、戦国の支城の形がよく判ります
 
 さっそく本郭から見て行きます。
本郭は300坪ほどの平地で、周囲を2mほどの高さの土塁が巻いていて、二ノ郭側には櫓台の様な遺構が確認できます。
北条特有の井楼が上がっていたかも知れませんね。
 入口には『滝之城本丸之跡』の石碑が建ち、横にサブタイトルで“北条氏照持城”とありました。
 
 中央に“城山神社”の本殿が鎮座してて、ここでは毎年春に『北条まつり』が催されています。
 北条は年貢の少ない善政で有名ですから、領民はいつまでも『北条さんの頃は良かったべな~』と話し合い、氏神様として今も感謝の祭礼を欠かさないのでしょうね。
 
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本丸跡に建つ城山神社 
 
 
 本郭からは直接“搦め手道”が河原に降りてるので、少し歩いてみます。 戦いに向かう前に集まった城だからか、戦勝祈願の石仏がたくさん残っています。
 
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 壇上に戻って、二ノ郭から三ノ郭と見て廻ります。 空堀がきれいに残っており、トレンチの最中の部分もあります。 所沢では唯一といってイイ城跡ですから、整備に力が入っていますね。
 
 
 ついでに外郭もグルリと廻りましたが、外郭は市街化されつつあり、ゴミの投棄とか、残念な箇所もありました。遊歩道がありましたが、藪が凄くて、下草整備も必要に感じます。
 しかし相対的にはよく整備清掃されてて、知名度以上に城らしく、訪ねて落胆のない城址ですよ。
 
 
 堀底を歩いているとき、急に風が吹いて、枝の枯葉が一斉に舞い落ちて来ました。 “忍法葉隠れの術”みたいですw
 
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“滝の城”の名前の由来となった滝の跡
水は殆どありませんが、自然林が繫ってた昔の武蔵野は、水が豊富だったんでしょうね