「えっ………何が………起こったの………」

黒江は目の前で起こっている現実に反応できないでいると

「何をボサッとしているのかしら」

黒妖姫が斬りかかってきていた

「えっ………もしかして……私……攻撃されている………やばい……避けないと………逃げないと殺られてしまうが………」

たが金縛りにかかったように体が動かない

「諦めなさい、あなたはもう………」

避けることも反撃する事も出来ない

黒妖姫は既に目の前に

「無音が黒江は強いと言っていたが……………大したことないね、じゃバイバイ黒江」

(これはもう………終わったて感じ)

諦めてくれ目を閉じて下を向くと

「何を諦めているんですか黒江!」

誰かが前に立つ気配がした

「………お母さん」

目を開けるとあやめが黒妖姫の剣を受け止めていた

「誰だ?………」

そんな黒妖姫の疑問を無視して

「最後の最後まで諦めないで、この敵は私が殺ります、陰はまだ息があります、早く手当をしなさい」

「行かすと思いますか」

黒妖姫はあやめから離れようとするが、あやめがピッタリと食っついて離れる気配がない

その脇を黒江が駆け抜け陰のそばに来ると

「お母さん……陰はまだ息が……」

「早く屋敷に運びなさい」

黒江は陰を抱えるとそのまま屋敷に向かって走り出した

黒妖姫はただ見ているだけで追う気配がない

「追わなくて良いんですか」

黒妖姫の関心は既にあやめに向けられていた

「まあ………後でいくらでも追えるし、とりあえず目の前のを倒してからだな」

「そうですか、ところであなたは誰ですか?見た目は無音ですが違うでしょう」

「…………黒妖姫………」

「私はあやめと言います」

「あやめ…………ああ思い出した……元四天王にそんな名前のやつがいた気がするな」

「………………人違いです」

「そうか……まあ………いいか」

そう言うと黒妖姫はゆっくりと間を詰めてくるのを見て

あやめはゆっくりと刀を構え黒妖姫に向かって歩き出した












黒妖姫は村人を斬りながら

「なんでこんな村………何か聞いていないか幻惑姫」

「さぁ〜〜〜詳しくわぁ〜〜何にいも聞いてぇ〜〜〜いないよぉ〜〜〜」

「………………………………………………」

使えない奴…………これでも四天王……………レベルが下がってるのでは………

とりあえず全てを殺ってから魔王にでも聞いてみるか

(お願いだからもうやめて)

こいつ………確か無音と言っていたな

まだ自我が残っているのか…しつこい奴……

「まあほっといてもその内に消えるだろう」

無視を決め込むと刀を握り直し

「さあ残りも片してしまおうか」

黒妖姫は再び村人を斬ら始めた











無音は何も無い空間に漂っていた

「ここは…………私の精神の中……なのか」

時より聞こえてくる声は

「黒妖姫……この話し方は……幻惑姫……魔王はいないみたいだな」

どうやら魔王が言っていた私の村を襲っているみたいだ

「止める手は………そうじゃなくて奪われた体を取り返さなくては」

なにか手はないか

「今の私にできる事は………とりあえず話しかけてみる………それしか出来ない」

無音は一息入れて

「お願いだからもうやめて」

黒妖姫に聞こえているかはわからないが

やるしかない










村人を斬りながら歩いていると

「ちょっと……何をしているの」

呼び止められ振り返り

「……お前……誰だ?」

と口に出していた

「まさか………私を忘れたの?」

(忘れたも……あったことないやつ)

黒妖姫は視線を外した先にある鏡を見て

(忘れていた……今私は無音の姿をしていたんだ、そうなるとこいつは………無音の関係者なのか……そうだ無音に聞くのが一番だな)










相変わらず白い空間を漂っていると

(おい無音聞こえているな) 

黒妖姫が話しかけてきた

どうやらあの言葉も聞こえているみたいだ

(聞こえているわよ、体を返す気になったのかしら)

(この体は具合がいい)

返す気はないみたいだ

(でなんの用かしら)

(今目の前にお前の関係者がいるが誰だ)

黒妖姫は詳しく容姿を説明した

(それは多分………黒江……霧雨黒江)

何故か次女である事は伏せておく

(お前の妹だな)

(………そうだ、たった一人の妹)

何故かそう言わないといけない気がした

(……妹ね………今から殺すけど……いいよね)

(できるならやってみなさい、黒江は強いわよ、簡単にはいかないわよ)

黒江にはあれがいる

あれを探すのは不可能に近い

(わかったわ、じゃバイバイ)







「忘れていたわ黒江」

「思い出してくれたんだ、で無音お姉さんは何をしているのかな」

黒江は既に抜刀していて何時でも斬りかかれるように

「そうね、村人を斬り殺しているってところかな」

「…………何故そんなことしているの」

「答えると思う?」

「期待はしていないわよ、仕方ないから捕まえて拷問するしかないね」

「捕まえるか……無理だと思うよ」

「……………(あと少し………早くしなさい陰)」

「その前に………」

黒妖姫は抜刀するとそのまま背後を貫いた

「それで見えないつもりかしら、私には初めからわかっていたわよ」

刀を引き抜くのと同時に陰がその場に倒れた












廊下から聞こえてきた音

嫌な予感がしたあやめは手にしたカップをテーブルに置いた

自慢ではないが嫌な予感は昔から外れたことがない

「長い一日になりそうだな」

いきなりドアが開けられ若者が飛び込んできた

「あやめ様…たい…たい…」

「そこで深呼吸して少し落ち着きなさい」

若者は言われるままに深呼吸して

「無音様がいきなり村人を殺しまわっています」

「えっ?無音が?何かの間違いでは」

「あれは無音様で間違いないかと」

何があったんだ

確かに無音は村人を怨んでいても可笑しくないが………殺し回るか……

確かめないといけない

「わかった、君は早く安全な場所に逃げなさい、後は我々が対処する」

若者は頭を下げると部屋を出ていった

あやめは残りを飲み干すと

「陰……いるんだろ…出てこい」

陰は入口の近くに現れた

現れるまで気が付かなかった

(やはり不気味な奴)

「な、な、何かようでしょうか母上」

「さっきの話は聞いていたな」

「…………はい」

「黒江は何処にいる」

「この時間なら拷問部屋に」

「迎えにいけ」

「えっ?私が?」

「早くしろ!村人が皆殺しになる前に黒江と協力して無音を止めるんだ!」

「………わかりました」

そう言うと陰は部屋を出ていった

黒江なら捕まえて拷問して、なぜこんな事をしたか聞き出す筈…………

万が一黒江でも止められなかったら

後は私が殺るしかない

あやめは武器を取りに部屋を出た