「無音!」

慌てて駆け寄り揺すると

「………エイタか、じゃここは村の中か」

無音はゆっくりと立ち上がると脇にある椅子に腰を掛けた

「一体何があったんだ」

「………木から落ちただけだよ」

そんな傷には見えないが

「そう言えばあやめが黒江達に……」

「…………………………………………」

「まさか………拷問されたのか」

「……………………………少し休む」

そう言うと無音はベットに潜り込んだ

否定しない、間違いなく拷問されている

あの黒江ならやりかねない





少し時間は戻る





「黒江お姉さん、無音が落ちたよ」

落ちた無音の脇に黒江が立っていて手に何かが握られていた

「よくやった陰、馬鹿でも役に立つんだなと褒めてやる」

「ところでこの後どうするの」

「陰は気にしないで早く村にお帰り」

「まさか…………」

「その先を言ったらどうなるかわかっているでしょう」

「……………………………………」

「村についたら母親には見つからない様に部屋に入り私が居るように誤魔化しなさい出来なければ………わかるでしょう」

やはり黒江お姉さんには逆らえない

諦めて歩き出した陰

それを確認して黒江は

「さあこれから楽しい時間が始まり始まりまあ無音からしてみれば地獄の始まりだけどね、さあ……始めるわよ」

こうして地獄の宴が始まった







 

「陰…………いるんですか」

見つからない様に部屋に戻ったつもりだったが

「…………はいお母様…………」

どうやら見つかっていたみたいだ

「当然、無音を宿屋に………」

「……………はい…………間違いなく………」

「歯切れが悪いけど……そこに黒江はいるんでしょうね」

ドア越しの会話、入ってこられたら……………不味い

「黒江…………お姉さんは…………」

「どうしたの?いるの?いないの?」

「…………………無音お姉さんを宿屋に連れてゆくから先に帰れと………言われたから」

「じゃいないのね………まさかと思うけど……拷問とかしていないよね」

「していない…………村の入り口まで一緒だったし………宿屋に向かう黒江お姉さんを見ているし…………間違っても拷問部屋には」

拷問部屋とは黒江お姉さんが拷問に使う部屋

多分父親が監禁されている

「拷問部屋には向かってないと、わかった………私は部屋にいます、黒江が帰ってきたら来るように言いなさい」

ドアの前のあやめの気配が消えた

(何とか誤魔化せた………早く帰ってきて黒江お姉さん……………間違っても無音お姉さんを殺さないで………)

祈る陰の姿があった