「ギザ博士奴はどうなった?」

振り返ることなく

「川に落ちたわ」

ここで振り返ること

「この高さからなら助からないわ」

「そうかでこの子はどうする?」

少し考えて

「私に任して欲しいわ」

「そうか。じゃ任せるか」

「ありがたい。それと万が一もあるわ。川を捜査したらどうかしら?死体が出てきたらそれまで、しかし」

「そうだな。兵を集めて調べさすか。じゃ用意があるから」

大臣は部屋を出ていった

ギザ博士は姉を抱えると

「あの子は生きているわ。この目で確認したしそれに死体が出てこないから大臣あせるだろうな。楽しいな。さあどうなる?どう動く大臣」

笑いながら部屋を出ていった


気がつくとソファーに寝かされていた

右肩は治療がしていて包帯が巻かれていた

「あら気がついたかしら」

前の椅子にはギザ博士が座っている

「ここは?」

「私の実験室兼オフィスだけど」

「この包帯は」

「私がやってあげたわ。何でするかと言うと私が優しいからよ」


「ギザ博士ひとつ聞いても」

「何かしら?」

「この機械とあそこに落ちてた玉はあなたがわざと置いていた?」

「さあね。機械は忘れただけだし玉なんて知らないわ」


「それに」

「ひとつじゃなかったかしら」

「それに見張りの兵を何処かに」

「見張りの兵?知らないわ」

ギザ博士は嘘をついている

表情からはわからないが

直感ってやつだ

「あのとき妹のポケットに何かを入れなかった」

お姉さんの所からはっきりと見えていた

「知らないわ。入れてないし」

やっぱりだ

「ところでギザ博士何を考えているの?」

「何にも。強いて言うなら私が楽しければいいの」

楽しければ?

「どっちの味方なの?」

「どっちでもないわ!楽しければ、これはゲームなの。ひとつ教えてあげる。あなたの妹生きているわ。何で教えてあげるかと言うと私が優しいからよ」

やはりわからない

この人の事は

「ところでこれから拷問するの?」

「拷問?しないわ。それより何か飲む?」

ギザ博士はゆっくりと立ち上がると

コップにコーヒーを入れて

目の前に置いた

「毒や睡眠薬それに自白強制の薬なんて入っていないから安心しなさい」


恐る恐ると口をつけた

それを見たギザ博士は窓側に移動して

外を見ている

笑いを抑えるのが大変だった

(さあゲームが始まったわ!楽しませて!わくわくさせて!)


第1章《王宮からの脱出》完結