もらえる年金の額を確実に84%増やす方法 | 中途退職組のデイトレード&株主優待生活日記♪

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もらえる年金の額を確実に84%増やす方法  2021.7.16

 

 

今から2年前、「老後2,000万円問題」

というのが起こりました。

 

平均的なケースとして、支出に対して、

年金を主とする収入が、老後30年間で

2,000万円不足するため、その分を

事前に蓄えておく必要がある、という

ものでした。

 

自分のライフプランについて考えたことが

ある人にとっては、当然の内容だったと思う

のですが、こういったことについて、考えた

ことがなかった人が多かったようです。

 

“年金制度が維持可能”であることを言った

「100年安心」と

「人生100年時代」が混ざってしまって、

「年金で100歳まで安心」

となってしまった人が多かったようです。

 

いずれにしても、老後のための蓄えは

絶対に必要です。年金だけでは足りません。

 

そして、その蓄えのためには、

資産運用が必要です。

 

ですが、ここでは、今回、

資産運用の方法についての話はしません。

 

今回は、

「蓄えは、本当はいくら必要なのか」

ということと、

「どのように必要額を考えればいいのか」

の話をします。

 

 

なお、これから出てくる数値は、

物価の変動(インフレ・デフレ)、金利、

税金等を含めた貨幣価値の評価は

無視しています。

 

 

(1)「2,000万円」の根拠

 

ここで、まず、この「2,000万円」に

ついて、確認しておきます。

 

この金額は、家計調査の数字に基づく、

平均的・標準的な計算結果です。

 

この例は、

「無職の高齢夫婦で、収入はほぼ年金のみ」

という前提です。

 

各自の実際の不足額は、当然、違う金額に

なります。ですが、ここでは、この数字を

基に、話を進めます。

 

根拠となる数値は、次のとおりです。

(数値は月額)

 

総収入:20.9万円(うち年金:19.2万円)

総支出:26.4万円

 

総収入20.9万円-総支出26.4万円=▲5.5万円

 

毎月、5.5万円の赤字ということです。

これを30年間の数字にすると、

 

▲5.5万円×12ヶ月/年×30年=▲1.980万円

 

で、約2,000万円の不足になるのです。

 

 

(2)年金を増やす方法=繰り下げ受給

 

上記の例は、普通に、年金を受給して、

不足分2,000万円は、事前の蓄えで

まかなう、というものです。

 

ですが、もらう年金の額を、

確実に増やせる方法があります。

 

それは「繰り下げ受給」です。

 

年金は、基本的には65歳から

支給されます。

 

ですが、「繰り上げ受給」「繰り下げ受給」

の制度により、現行では、

60歳から70歳の間で、

受給開始の月を選ぶことができます。

(※「繰り下げ」の限度は、今後、75歳に変更)

 

ただし、受給額は、

「繰り上げ」の場合は減額、

「繰り下げ」の場合は増額されます。

 

その増減額は、

繰り上げた月数、繰り下げた月数に応じて、

「繰り上げ」:月当たり0.5%減額(現行)、

「繰り下げ」:月当たり0.7%増額です。

(※「繰り上げ」の率は、今後、0.4%に変更)

 

その増減された年金額は、受給開始後は、

一生涯、変更されません。

 

※内容をかなり省略して書いています。

 実際の制度は、もう少し複雑です。

 

以下、ここでは、「繰り下げ受給」だけに

注目します。

 

上記の例では、月5.5万円の赤字ですが、

この「繰り下げ受給」の制度を使って、

もらう年金が月5.5万円増えるまで、

受給を遅らせれば、どうでしょうか。

 

その後は、年金だけで、毎月の生活費を

まかなうことができるようになります。

その後は、永久に、赤字にはなりません。

 

試算してみます。

 

上記の例では、年金額は、

月19.2万円なので、

 

5.5万円÷19.2万円=約28.6%

 

「繰り下げ受給」は月0.7%増額なので、

 

28.6%÷0.7%=41ヶ月分

=3年5ヶ月分 です。

 

つまり、

65歳+3年5ヶ月=68歳5ヶ月で、

受給を開始すれば、

月5.5万円の赤字は解消し、その後、

毎月収支トントンで生活できる計算です。

 

これは、不確実な資産運用の期待値では

なく、制度上、確実に実現できることです。

 

ですが、受給を開始するまでの

3年5ヶ月の間、無年金、無収入で

生活しなければなりません。

 

上記の例では、毎月の総支出は26.4万円

ですので、この3年5ヶ月間に必要な額は、

 

月26.4万円×41ヶ月(3年5ヶ月)=1,082万円

 

です。

 

そうなんです。

 

実は、2,000万円用意していなくても、

1,080万円用意できていれば、

「繰り下げ受給」の効果で、

その後の生活は成り立つのです。

 

 

(3)さらに充実した老後に

 

ここまでは、家計の収支を改善する施策

として、「繰り下げ受給」に注目して

きました。

 

少し見方を変えてみましょう。

 

現行の制度では、70歳まで、

つまり、5年間、繰り下げが可能です。

 

年金の増加額:月0.7%は年8.4%。

5年間では42%の増加です。

 

この率は、かなりの高利回りです。

そして、確実な数字です。

 

上記の例で計算すれば、年金額は、

月19.2万円×42%=8.1万円増額

→総額:月27.3万円

 

5年間、「繰り下げ受給」することが可能で

あれば、月額8.1万円相当の利益を生む

資産運用が実現できる、ということと同じ

です。

 

また、実は、昨年に成立した年金改革法に

より、今後、75歳までの繰り下げが可能に

なります。

 

75歳までの10年間、繰り下げることが

できれば、84%の年金の増額が可能に

なるのです。

 

上記の例で計算すれば、年金額は、

月19.2万円×84%=16.1万円増額

→総額:月35.3万円です。

 

一方、総支出は、

上記の例では、月26.4万円なので、

5年間で、1,584万円、

10年間で、3,168万円です。

 

資産運用等で、これだけの金額が

事前に用意できていれば、

年金の満額までの増額が可能になる

ということです。

 

資産運用が、しっかりできている人にとって

は、3,000万円ぐらい用意することは、

十分、可能なのではないでしょうか。

 

人生100年時代、75歳を越えて生きる

ことは普通のことです。

 

そうであれば、84%増額した年金をもらう

ことを目指してみてはどうでしょうか。

 

 

(4)注意点

 

以上、「2,000万円不足」の平均的な

ケースを基に、話を進めてきましたが、

個別には、まったく異なる数値になる

可能性があります。

 

また、ここでは、「加給年金」については、

一切、無視してきました。

 

「加給年金」をもらうことができる人の

場合、「繰り下げ受給」を行うことで、

本来もらえるはずの「加給年金」が

もらえなくなります。

 

他にも、個別の事情によって、

他の社会保障給付との併給調整の問題が

あるかもしれません。

 

今後、制度自体が変更になることも

あると想定すべきでしょう。

 

また、これからは、老後も働き続ける人も

多くなるでしょう。

 

そういうわけで、自分の場合は、

どういうことになるのか、

各自で、しっかり研究するなり、

専門家に相談するなり、

十分に検討のうえで、

各施策は、実行に移してください。

 

 

(5)年金は保険

 

また、ここでは、今回、

生涯でもらえる年金総額の損得については、

議論から、はずしてきました。

 

今では、「年金」と言った場合、

「各種老齢年金保険制度の社会保障給付」

のことを差しますが、

もともとは、保険給付金を、

一括でもらうか、年金額でもらうか、

の「年金額」から来ている言葉です。

 

「年金額でもらえる保険金」=「年金保険」

と、単に、保険金のもらい方を言っていた

だけです。

 

そして、「年金保険」から「保険」が取れて

しまったので、本来の「保険」の意味合いも

薄れてしまいました。

 

老齢年金保険は、もともとは、

「思いがけず長生きしてしまった場合に

支給される保険金」=「長生き保険」

だったのです。

 

「繰り下げ受給」を選択した場合でも、

長生きしなかった場合、

もらえる年金の総額は少なくなります。

 

これを“損”と考える人は多いと思います。

 

ですが、年金を「長生き保険」ととらえ、

生命保険・損害保険などと同じように、

安心を得るためのものだと、考え方を

切り替えれば、“損”ではなくなります。

 

また、受給の繰り下げに、手続きは必要

ありません。何もしなければ、自動的に

繰り下げの状態になります。

 

年金をもらいたくなった時点で、請求の

手続きをすれば、そこから、繰り下げ後の

金額で、年金の支給が始まります。

 

つまり、健康に不安を感じるようになった

とき(=長生きできないと思ったとき)に、

その時点で、受給の手続きをすればいい、

ということなのです。

 

 

ここまで書いてきたように、

必要な生活資金は資産運用で準備しておき、

「思いがけず長生きする」事態を想定して、

「繰り下げ受給」の制度を最大限活用し、

84%増額した年金で、裕福な老後を送る

ことを検討してみてはいかがでしょうか。

 

 

※年金制度について、ここでは、

 かなり簡略化して記載しています。

 年金制度は、とても複雑ですので、

 諸制度を実際に活用する場合には、

 事前に、専門家に相談するなど、

 慎重に対応してください。

 

 

おしまい。

 

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